【最長片道切符の旅#24】JR東海で静岡・山梨を巡る「富士回遊」旅

最長片道切符の旅24日目。本日は2023年4月22日(土)。神奈川県の関内駅から旅をスタートしていきます。
(最長片道切符の旅の概要・ルールはこちらからご覧ください)

【旅程: 最長片道切符の旅24日目(当初の予定)】
■ 関内駅 (7:20発)
↓ 根岸線 各停
■ 大船駅 (7:46着/7:54発)
↓ 東海道本線 普通
■ 国府津駅 (8:26着/8:31発)
↓ 御殿場線 普通
■ 御殿場駅 (9:23着/9:29発)
↓ 御殿場線 普通
■ 沼津駅 (10:02着/10:19発)
↓ 東海道本線 普通
■ 富士駅 (10:39着/10:45発)
↓ 身延線 普通
■ 富士宮駅 (11:03着)
■ 富士宮(静岡)観光
 ・ 静岡県富士山世界遺産センター
 ・ 昼食
 ・ 富士宮本宮浅間大社
■ 富士宮駅 (14:25発)
↓ 身延線 特急ふじかわ7号
■ 甲府駅 (16:03)
■ 甲府観光 (前半)
 ・ 舞鶴城公園
 ・ 夕食
※この後、私用のため帰京

本日は首都圏を脱出し、ようやくJR東海の区間に突入、静岡県や山梨県といった”富士山県”を巡ります。JR東日本のあの特急ではないですが、ある意味「富士回遊」的な旅となります。

【やらかした】早速乗り間違えた

朝一発目からやらかしました。ホテルを出るのが少し遅れて早足で関内駅に向かっていたのですが、ギリギリで駅へ到着。根岸線で大船方面へ向かうべく、急いでホームへ向かい、予定の列車になんとか乗車できたと思ったら、「次は桜木町」というアナウンス。

関内駅
関内駅

桜木町駅は昨日通ったところです。大船方面に向かうつもりで列車に乗りましたが、反対方向へ向かってしまったのです。誤って乗車してしまった列車が次の桜木町駅へ向かっている最中に本来乗るべき大船行きの列車とすれ違い。これで乗り遅れ確定です。

この後は首都圏を外れることになり、列車の本数が減ることを見越して、最短の接続になるように予定を組んであったので、いますれ違った列車を逃すと後々の接続に響きます。やってしまった。

とりあえず、桜木町駅で降ります。JRの規則上、乗り間違えがあり、係員がその事実を認定した際はその区間の運賃が免除されるという決まりがあります。「係員がその事実を認定した際」ということは駅員の方に申告する必要があるわけなので、きちんと駅員さんに事情を説明に行きます(恐らくほとんどの方はそのまま折り返していると思いますが実は規則上はアウトのはずです)。

そして、無事に追加運賃なく戻れることになったはよいのですが、調べてみたところ、案の定、この後経由する国府津駅で本来乗るべき御殿場線に間に合わないことが判明。それでも次の御殿場線の列車には乗車でき、途中観光を行う富士宮駅の到着も約30分遅れとギリギリ許容範囲にてすみそうだったので、とりあえず事なきを得ました。

桜木町駅
来るはずのなかった桜木町駅

【7:37発/8:05着】 意外と車窓の変化に富む根岸線で大船駅へ

やってしまったことは仕方ないので、気を取り直して桜木町駅から大船駅へ向かいます。これは旅の最中になって思ったことですが、前回に記載した通り、前日に気づかずマイルールの違反を犯しており、ルール上、移動してはいけない時間帯(18時以降)に根岸線の横浜・関内駅の2駅間を移動してしまっていました。ただし、そのうち桜木町・関内駅間の1駅間に関しては結果的に、移動可能な時間帯に移動し直すことになったので、あの重大なミスのインパクトを少し減らせたのかなと…。まあ、前回のミスも含めて、旅の最中に何も気づくことはなく、この時は単純に自分の情けなさを悔いていたのですが。

それはさておき、桜木町駅を出発し、恐らくほとんどの人が横浜といって思い浮かべるであろう、「表の横浜」の近くを通り、関内駅へ。そして、横浜中華街の最寄り駅のひとつ、石川町駅を通ります。次の山手駅を過ぎると、一般の人にイメージでわきにくい「裏の横浜」が少しずつ姿を現します。根岸駅から磯子駅にかけては臨海部の工業地帯の近くを走行し、根岸駅の近くにはENEOSの製油所があります。ENEOSの製油所へは根岸駅からの専用線が延びており、そこに向けてガソリン専用の貨車(タキ1000形貨車)が乗り入れます。

ガソリン専用の貨車(タキ1000形貨車)
根岸駅に停車中のガソリン専用の貨車(タキ1000形貨車)

そして、新杉田駅を過ぎると横浜市の丘陵地に位置する住宅地を通り抜けます。横浜というとやはり、みなとみらい21のようなウォーターフロントの再開発地域が真っ先に思い浮かびますが、市内のほとんどは丘陵地なのです。そういった意味ではむしろ、これが「真の横浜」の姿なのかもしれません。

このように、「表の横浜」から「裏の横浜」まであらゆる横浜の車窓を眺めていると、終点の大船駅へ到着します。

大船駅
大船駅

【8:10発/8:39着】 東海道本線で国府津駅へ

根岸線で大船へ到着した後は東海道本線に乗り換え、国府津まで行きます。大船駅を出発すると、横須賀線が分かれていき、その直後には左手に鎌倉車両センターがあり、様々な車両を目にすることができます。例えば、成田エクスプレスに使われるE259系や京浜東北・根岸線系統のE233系、横須賀・総武快速線系統のE217系やE235系などが所属します。ほかにも、この車両センターは神奈川県内の各地に派出所や支所を持っており、横浜線の東神奈川駅や橋本駅、根岸線の磯子駅、南武線の武蔵中原駅など、県内の車両基地を束ねる一大拠点であることがわかります。

東海道本線を走るE233系電車
東海道本線を走るE233系電車

さすが国内を代表する在来線ということもあり、線形もよく、普通列車でもかなりのスピードで飛ばしていきます。一方で、車窓の点では大きな特徴はそこまでなく、茅ヶ崎・平塚駅間で見える相模川くらいです。ここに限っては太平洋に注ぐ河口が近いこともあり、川幅が広く雄大な景色が広がります。その後、大磯駅から先は比較的海と近いところを走りますが、海はほとんど見えず、国府津駅手前に遠目に見える程度となります。

相模川(茅ヶ崎・平塚駅間)
相模川(茅ヶ崎・平塚駅間)

今回は国府津駅で下車をします。東海道本線は様々な系統の列車の走る東京・大船駅間、海が見える小田原駅付近より西側の車窓が良いですが、この区間に被ることなく、降りることになってしまいます。

国府津駅
国府津駅

【9:10発/10:40着】 富士山見える御殿場線で沼津へ

国府津駅では御殿場線に乗り換えていきます。ここでようやくこの旅で初めてJR東海の区間へ足を踏み入れることとなります。少しだけ旅が進んだ実感が出てきます。

御殿場線については最終的に全区間を乗り通すことになりますが、次の列車は御殿場行きのため、一度御殿場駅で乗り換えをすることになります。車両はJR東海お馴染みの313系電車。御殿場線を走る313系はロングシート・セミクロスシートの車両どちらも走っていますが、今回は残念ながら全てロングシートでした。

JR東海313系電車
JR東海の313系電車
国府津駅の御殿場線の駅名標
御殿場線の駅名標もJR東日本仕様

根岸線の誤乗で、計画が狂ったことにより、30分ほど待ってからようやく出発。国府津出発時点では土曜にかかわらず、3両編成の電車の座席はおよそ9割が埋まりました。

御殿場線は海側を走る東海道本線とは対照的に山側を走って行きます。そのため、車窓は主に山の景色となります。国府津駅を出ると進行方向左手には太平洋が遠目に映りますが、それもほどほどに内陸の方へ分け入っていきます。

この御殿場線はいまでは単線で比較的落ち着いた感じのある路線ですが、かつては東海道本線の一部で、東海道の幹線を担っていた路線なのです。そのため、当時は複線で、いまでも随所に複線時代の面影が残っているようです。

松田駅付近で小田急線と交差すると、列車は丹沢山地や酒匂(さかわ)川の車窓が見える自然豊かな風景へと変わります。そして、谷峨・駿河小山駅間で静岡県へ入ると並走している川は鮎沢川へと名称が変わります。市街が見えてくるとそこは御殿場市。御殿場駅で沼津行きに乗り換えて、さらに先へ進みます。沼津行きの列車はセミクロスシートながらも、乗車時点である程度利用客が多く、立って乗車することに。

静岡県内で見える鮎沢川(駿河小山・足柄駅間?)
静岡県内で見える鮎沢川(駿河小山・足柄駅間?)
御殿場駅
御殿場駅
沼津行きの313系電車
沼津行きの313系電車

御殿場駅より先は景色が変わり、平地となります。そして、その背後には富士山が見えてきます。正確には富士山の裾野の一部である愛鷹山(あしたかやま)ではありますが、ある種、富士山と一心同体とみなしても良いのではと思います。岩波・裾野駅間では進行方向右側に真正面にどっしりとした山体が見られます。ただし残念ながら、この日は視界があまり良くなく、上の方はほとんど見えませんでした。一方で、裾野駅付近では車窓から富士山の裾野を見ることができ、地名通り、裾野市街が富士山の斜面上にあることがよくわかる景色でした。

富士山(愛鷹山) (岩波・裾野駅間)
富士山(愛鷹山) (岩波・裾野駅間)
富士山(愛鷹山)の裾野(岩波・裾野駅間)
富士山(愛鷹山)の裾野(岩波・裾野駅間)

裾野駅からは少しずつ車内が混み合い、立ち客がちらほら。ここまでは扉付近に立ちながら景色を見ていたものの、沼津駅へ到着する頃には車内の中程に押し込まれるほどの混み具合となりました。

沼津駅

【10:52発/11:10着】 18キッパーを救った元セントラルライナーの車両で富士駅へ

御殿場線で沼津駅へ到着。ここから東海道本線に復帰して富士駅まで向かいます。211系が到着し、「これが18キッパー泣かせの静岡のロングシートか」と思っていたら、その後ろには313系8000番台が繋がれていました。この車両はかつて名古屋近郊で活躍していた有料座席指定サービスの元セントラルライナーの車両です。もちろん、車内は転換クロスシート。これはラッキーです。この車両が運用につく便は一部ながらも、これによって救われた18キッパーは恐らく一定数はいることでしょう。

JR東海211系電車
JR東海211系電車
313系8000番台の車内
313系8000番台の車内

座れることを期待して乗車するも、結局、窓側が空いてなかったのでまた立つことに。今回乗車する区間では比較的海の近くを走るものの、海はほとんど見えません。その代わり車窓で見どころなのは吉原・富士駅間。吉原駅は岳南鉄道との乗換駅で、岳南鉄道の車両が見られるかもしれません。まだ乗車したことのない路線で、個人的にいつか乗ってみたい路線のひとつです。

岳南鉄道の車両
吉原駅に停車中の岳南鉄道の車両

そして、富士駅が近づいてくると工場が見えてきます。これは王子マテリアの製紙工場です。富士山の地下水が豊富な富士市は製紙工業が一大産業となっており、この工場の風景が工業都市としての風情を感じさせます。

王子マテリアの製紙工場
王子マテリアの製紙工場

それはそうと、沼津駅出発時点で2分遅れとなっていましたが、富士駅手前で突如ノロノロ運転となり(理由は忘れたが)、遅れが増幅していきます。富士駅では身延線に乗換予定ですが、乗換時間はたったの6分。どんどん乗換時間を圧迫していきます。そして、ようやく富士駅へ到着。ちょうど乗車予定の身延線の出発時刻なのですが。

富士駅
富士駅

【11:16発/11:34着】 富士山が見える路線、身延線で富士宮へ

富士駅へ到着後は身延線の列車へ急いで乗り換え。東海道本線の列車が遅れたものの、しっかりと接続がされ、無事に間に合いました。ここからは普通列車の西富士宮行きに乗り換えて、途中の富士宮駅まで向かいます。車両はやはり313系。セミクロスシート車両だったものの、またしても、座れずに立つことに。

身延線の富士方では富士山を眺めるチャンスがあり、基本的に進行方向右側に見えてきます。しかし、視界は悪いままほとんど富士山が見えることなく、そのまま富士宮駅へ到着となりました。

身延線を走る313系電車
身延線を走る313系電車
富士宮駅の駅名標
富士宮駅の駅名標

【11:34-14:25】 富士山のお膝元、富士宮市の市街地を観光

身延線で富士宮駅へ到着しました。ここで静岡県の富士宮市内を観光していきます。結局、根岸線の誤乗で、予定より35分遅れとなりましたが、予見していたことなので、まあOKです。

富士宮駅
富士宮駅

まず向かったのは「静岡県富士山世界遺産センター」富士宮駅から徒歩8分です。徒歩数分のところにある富士山本宮浅間大社の鳥居が早くもここにあります(一之鳥居)。そして、巨大な逆三角形が。どうやらこれは「逆さ富士」のモニュメントらしいです。2017年12月にオープンした施設ということもあり、外観はきれいです。富士山は2013年に世界文化遺産(意外にも自然遺産ではない)に登録されており、この世界遺産に登録された富士山を保護・保存・整備し、将来の世代へ伝えることを目的にした施設です。観光客から見れば、博物館としての機能が身近かと思います。

静岡県世界遺産センター
静岡県世界遺産センター

ここでは映像を通して、四季や高度の違いを感じつつ、スロープを登りながら富士登山を疑似体験するコーナーをはじめ、富士山の成り立ちや植生、地質などについて学ぶことができます。また、世界文化遺産に登録されているだけあり、古来から富士山は文学や芸術的表現、そして、信仰の対象になっていることもあり、富士山と人間のかかわりについても様々な展示が揃えられています。

個人的に意外だったのは富士山があった場所は海だったということ。富士山がある場所は日本にある4つのプレートが重なる場所で、富士山の原型はプレートの活動により隆起してできたものです。しかし、最初からいまの富士山が形成されたわけではなく、当初は近接した位置に愛鷹火山(先ほど御殿場線から見た山)と小御岳火山が形成され、それらが活動を休止すると今度は古富士山が形成されます。この古富士山の活動期の噴火は激しいもので、この時に生じた火山灰が関東地方における関東ローム層になっているようです。その後にまた新たな噴火が起こることで現在の富士山が誕生したようです。

そのような歴史を踏まえると人類史のスケールを越えるものの、いまの大地もあくまでも変化の途中であり、いずれはまた違った大地の形になるのではと思います。大きかれ小さかれ富士山を含めて火山はどこかのタイミングで噴火し、少しずつ変化が加わっていく、そういったダイナミズムを感じました。

富士山世界遺産センターの頂上から眺める富士山
富士山世界遺産センターの頂上から眺める富士山(視界悪し)

さて、時刻は昼過ぎなので、そろそろ昼食へ。富士宮といえば、やはり富士宮焼きそばです。富士宮焼きそばを食べに立ち寄ったのが「さの食堂」さん。富士山世界遺産センターからわずか徒歩2分程度です。店名的には歴史の重みがある(?)感じがしますが、中は割と小綺麗です。ただ、座敷席があるのがやはり「食堂」といった感じ。当然、富士宮焼きそばを注文します。

さの食堂
さの食堂

焼きそばはソース味で、優しい素朴な味です。具はしゃきしゃきのもやしとキャベツが中心。一番の特徴は削り節。これがアクセントを加えてくれます。お値段はこれで500円(2023.4現在)。お財布にも優しいです。

富士焼きそば
富士焼きそば

それでは腹ごしらえをしたところで、次は「富士山本宮浅間大社」へ向かいます。富士宮市を代表するスポットで、富士宮駅から徒歩10分です。静岡県や山梨県に多く存在する主に富士山を信仰とする浅間大社の総本社です。もちろん、富士山を御神体としています。富士山の噴火を受けて周囲が荒れ果てていく姿を憂いた当時の天皇(第11代垂仁天皇)が紀元前27年に山霊を鎮めたのが起源らしいです。富士山の8合目以降の土地はこの神社のもので、山頂に奥宮があります。

入口から大きな鳥居(二之鳥居)が鎮座しています。恐らく建物3階分くらいはあるかと。そして、楼門も立派です。拝殿は楼門と同じ朱色塗となっており、拝殿や奥にある本殿は1604年に徳川家康によって造営されたとのこと。その割にはあまり年季を感じさせず、しっかりと手入れされていることがわかります。

富士山本宮浅間大社の二之鳥居
富士山本宮浅間大社の二之鳥居
楼門
楼門
富士山本宮浅間大社の拝殿
富士山本宮浅間大社の拝殿

拝殿でお参りした後は同じ境内にある「湧玉池」へ。富士山の雪溶け水が湧き出たもので、近くにはその霊水を汲めるところもあります(要煮沸)。訪問したのは4月下旬で、ちょうど藤の花が咲いており、富士の湧水とともに綺麗な風景となっていました。

湧玉池①
湧玉池①
富士山本宮浅間大社に咲く藤の花
富士山本宮浅間大社に咲く藤の花
湧玉池②
湧玉池②

【14:25発/16:03着】 富士川の流れを眺めながら甲府へ

それでは一通り、富士宮市街を観光して、富士宮駅へ戻ってきました。ここから移動再開です。富士宮駅からは特急ふじかわ号に乗車して甲府駅まで一気に進みます。車両はJR東海おなじみの特急型車両、373系です。そういえば、特急に乗ったのは7日ぶりのような(17日目の上越新幹線以来)。

特急ふじかわ号
特急ふじかわ号の運用に就く373系電車

今回は自由席の乗車。土曜日の日中ですが、車内は空いており、座席は選びたい放題でした。まず、富士宮駅の隣駅、西富士宮を通過後、左カーブを抜け切ると、山へ入っていきます。その際に、富士宮市街を見下ろすような景色となると同時に、進行方向左手後方に富士山が見えてきます。ただこの時も特に視界は変わらず、そこまで見えず。先ほどの通り、甲府方面へ向かうと、富士山が見えるのは基本的に進行方向右手ですが、この区間に限っては左側に見えてきます。これより先に行くと一気に山の車窓へと様変わりしていきます。

富士山(西富士宮・沼久保駅間)
車窓に富士山がわずかに映る(西富士宮・沼久保駅間)

その先、芝川駅を過ぎると富士川の景色が進行方向左手に見えます。富士川は途中の波高島駅付近まで断続的に眺めることができます。そして、十島・井出駅間では静岡県から山梨県へ入ります。そして、日本仏教三大霊山である身延山や日蓮宗総本山である久遠寺の最寄駅、身延駅を過ぎると、次の停車駅は下部温泉駅。駅が近くなると、温泉旅館が見えてきます。メインの温泉街(湯町)は駅から約1.5km離れたところにありますが、駅近くにも温泉施設があり、途中下車にも良さそうなスポットです。さらには駅前に町営温泉施設の建設現場を発見。どうやら4月28日にオープンするとのこと(「しもべの湯」のこと。2023.11の投稿時点で開業済み)。車窓からこういう発見があると気分が高揚します。

富士川(十島・井出駅間)
富士川(十島・井出駅間)
身延駅
身延駅
下部温泉駅付近で見える温泉旅館
下部温泉駅付近で見える温泉旅館
しもべの湯
下部温泉駅前のオープン前の日帰り温泉施設「しもべの湯」(現在は営業中)

いまに始まったことではありませんが、身延線は山深いところを走るため、カーブが多く頻繁に床下からレールと車輪がこすれる音がしてきます。また、身延線は単線で、交換可能駅を通過する際も、線路の形状の関係で(難しい言葉でいうと一線スルーになっていないため)、かなり低速まで速度を落としていることもあり、特急に乗っていながらも、おおげさにいえば、普通列車に乗っている感覚を抱きます。実際、乗車中のふじかわ号は全区間を通した表定速度は約55km/hでJRの特急列車の中ではかなり遅い部類に入るようです。

鰍沢口駅まで来ると、山がちな車窓が開け、甲府盆地へ入り、善光寺駅を通過するとまもなく、中央本線に合流。終点の甲府駅へ到着します。特急列車としては早くはないですが、久しぶりの特急列車の旅ということもあり、楽しい旅となりました。

甲府駅駅名標(身延線)
JR東海に寄せたJR東日本タイプの甲府駅駅名標

【16:03-17:45】 歴史や自然など見どころの多い甲府を観光(前編)

身延線で終点の甲府駅へ到着です。ここが本日の最終目的地です。

甲府駅南口
甲府駅南口

本日はホテルに止まらず、私用の関係で東京の自宅に帰るため、今のうちに観光の一部と夕食を甲府で済ませてしまいます。まずは駅南口から徒歩3分の「舞鶴城公園」へ行きます。舞鶴とは京都府舞鶴市のことではなく、甲府城の別名。つまり、ここは甲府城址なのです。

舞鶴城公園入口
舞鶴城公園入口

甲府城は1583年に豊臣秀吉の甥、羽柴秀勝が築城し、その後、関ヶ原の戦い以後は徳川家康が城主を務めました。その後、徳川家に代々引き継がれたのち、柳沢吉保、その嫡男の吉里に引き継がれたが、1727年に大火が起こり焼失。1873年に廃城に至った城です。かつての城郭の敷地は甲府駅や線路、商業施設に転用され、現存しないところも多い一方、当時の雰囲気が残されたのがこの舞鶴城公園となります。その時の建築物のほとんどは残っていない一方で、天守の基礎となった石垣や櫓に使われた石垣などは残されており、なんとなくここに城郭があったことが感じ取れます。

本丸櫓跡
本丸櫓跡から見る甲府駅
本丸櫓跡から見る甲府駅
天守台

天守台は展望スポットでもあり、甲府の街並みを東西南北で見渡すことができます。また、先述の通り、目立つ建造物は殆ど残っていないものの、稲荷櫓や鉄門(くろがねもん)など、ところどころ復原されている箇所も見られました。

天守台から山梨県庁を眺める
天守台から山梨県庁方面を眺める
稲荷櫓(復原)
稲荷櫓(復原)
鉄門(くろがねもん)(復原)
鉄門(くろがねもん)(復原)

それでは最後に早めの夕食タイムです。甲府グルメでは外せない「ほうとう」を頂きます。立ち寄ったのは駅南口から徒歩2分の「小作」さん。こちらのおすすめである「かぼちゃほうとう」を注文しました。平打ちのうどんと、味噌ベースのスープとかぼちゃやじゃがいもなどの野菜が鉄鍋にたくさん入っています。かぼちゃが染み渡ったスープは味噌と相まってまろやかで優しい味でした。時間が早かったこともあり、そこまで空腹ではなかったのですが、ボリュームもありながらも意外と平気で食べ切ることができました。

小作 甲府駅前店
小作 甲府駅前店
かぼちゃほうとう
かぼちゃほうとう

それでは本日の旅程は以上です。明日は私用のため、帰京し一旦休んだうえで、再度、甲府から旅の続きを行っていきます。本日もお疲れ様でした。
(参考までに実際の旅程も掲載いたします)

【参考】実際の旅程(変更後)

■ 関内駅 (7:19発)
↓ 根岸線 各停
■ 桜木町駅 (7:21着/7:37発)
↓ 根岸線 各停
■ 大船駅 (8:05着/8:10発)
↓ 東海道本線 普通
■ 国府津駅 (8:39着/9:10発)
↓ 御殿場線 普通
■ 御殿場駅 (9:59着/10:04発)
↓ 御殿場線 普通
■ 沼津駅 (10:40着/10:54発)
↓ 東海道本線 普通 (4分遅れ→6分遅れ)
■ 富士駅 (11:16着/11:20発)
↓ 身延線 普通 (4分遅れ→4分遅れ)
■ 富士宮駅 (11:37着)
■ 富士宮(静岡)観光
 ・ 静岡県富士山世界遺産センター
 ・ 昼食
 ・ 富士宮本宮浅間大社
■ 富士宮駅 (14:25発)
↓ 身延線 特急ふじかわ7号
■ 甲府駅 (16:03)
■ 甲府観光 (前半)
 ・ 舞鶴城公園
 ・ 夕食
※この後、私用のため帰京

【YouTube】