【最長片道切符の旅#29】奈良の穴場を巡りついに大阪へ

最長片道切符の旅29日目。本日は2023年4月28日(金)。奈良県の奈良駅から旅をスタートします。
(最長片道切符の旅の概要はこちらからご覧ください)

【旅程: 最長片道切符の旅29日目】

■ 奈良駅 (9:30発)
↓ 関西本線(大和路線) 大和路快速
■ 郡山駅 (9:34着)
■ 大和郡山(奈良)観光
 ・郡山城跡
 ・郡山金魚資料館
 ・稗田環濠集落
■ 郡山駅 (12:34発)
↓ 関西本線(大和路線) 大和路快速
■ 天王寺駅 (13:03着)
■ 天王寺(大阪)観光
 ・昼食
 ・あべのハルカス
 ・四天王寺
■ 天王寺駅(16:27発)
↓ 大阪環状線(一部関西本線)
■ 京橋駅 (16:56着/17:21発)
↓ 片町線(学研都市線) 快速
■ 木津駅 (18:23着/18:27発)
↓ 関西本線(大和路線) 区間快速
■ 奈良駅 (18:35着)

今回は宿泊地の関係上、奈良駅発着の周回ルートとしています。とはいえ、最長片道切符以前に、JRの切符のルールでは原則周回ルートを取った時点で、1枚の切符での移動は制度上できず、このうち、最後の木津・奈良駅間は最長片道切符のルート外で、別途乗車券を購入して移動します。また、関西圏の土地勘がある方にはお気づき頂けるかと思いますが、今回の移動量は控えめ。都道府県ごと1箇所の観光ルールがあるため、移動量と引き換えに2府県消化する作戦(?)で進めていきます。

【9:30発/9:34着】 福島県ではない方の郡山駅へ

それでは奈良駅から移動を開始。郡山駅へ移動します。とはいっても福島県の郡山駅にあらず。奈良県大和郡山市の郡山駅です。関西本線の大和路快速に乗車していきます。この区間を含む関西本線の大阪寄りでは「大和路線」という愛称がついています。奈良・郡山駅間の所要時間はたったの4分。隣駅のため、あっという間に到着します。

奈良駅
奈良駅
先代の2代目奈良駅駅舎
先代の2代目奈良駅駅舎
大和路快速の221系電車
大和路快速の221系電車
郡山駅の駅名標
郡山駅の駅名標

郡山駅下車時、最長片道切符に郡山駅の下車印を押してもらいましたが、押された文字を見てみるとそこには単に「郡山」とだけ。以前にも、福島県の郡山駅で途中下車をして下車印を押してもらっていましたが、その時は「(北)郡山」となっていました。JRの下車印や切符への印字は同じ駅名でも混同防止のために、大抵はそのどちらかの駅で路線名の一文字を添えるのが一般的です(例: 香川県の高松駅と同名である七尾線の高松駅(石川県)の場合、「(七)高松」となる)。しかし、こういう場合は規模の小さい駅の方に路線名の一文字が付くイメージが強かったところ、今回のような逆転現象が起こっており、少し意外に感じました(ただし、一部の切符の券売機では福島県の郡山駅を意味する印字であっても単純に「郡山」と印字される例がある)。

【9:34-12:34】 穴場観光スポットの宝石箱、大和郡山を散策

それでは郡山駅を下車して大和郡山市の散策をしていきます。大和郡山市は関西本線沿線でみると、奈良市と法隆寺のある斑鳩町に挟まれた場所にあり、観光地としてはやや埋もれがちな傾向にあります。しかし、大和郡山にも隠れた穴場スポットが多くあります。

郡山駅
郡山駅

まずは「郡山城跡」へ。JR郡山駅から徒歩20分歩きます。大和郡山市には近鉄橿原線の近鉄郡山駅もあり、実際はそちらからの方が近いです(徒歩9分)。郡山城は1580年に筒井順慶(織田信長の部下)により築城が開始。その後の領主、豊臣秀長(豊臣秀吉の弟)・増田長盛らにより拡張され、1596年に完成した城です。その後、廃城になった時期があったものの、松平氏・本多氏・柳沢氏などによって治められ、1873年の明治維新まで代々受け継がれてきました。

郡山城跡の外観
郡山城跡(近鉄橿原線の線路を添えて)

このうち、門や櫓などについては復元がされており、当時の様子を垣間見ることができます。天守閣については石垣があるものの、建物自体は残っていません。天守台からは城跡の様子や大和郡山市内の景色を眺めることができます。城跡内には大和郡山の城下町を発展させた柳沢吉里の父、柳沢吉保(徳川綱吉の側近)を祀った「柳澤神社」や地元史誌に特化した「柳沢文庫」などもあり、散策にはうってつけの場所です。

郡山城跡追手門
郡山城跡追手門
天守台
天守台
天守台からの景色
天守台からの景色

次に向かったのが「郡山金魚資料館」。郡山城跡からは徒歩17分、近鉄郡山駅からは徒歩8分です(JR駅の方からだとやはりアクセスしにくい)。観光客が通るにはちょっと躊躇しそうな狭い住宅地の道路を通っていると急に視界が開け、辺り一面にため池が広がります。観光スポットがおよそ立地しなさそうな場所ですが、そんな場所に「郡山金魚資料館」が位置します。お察しの良い方はお気づきかもしれませんが、先ほど見たため池は金魚の養殖場。この資料館は金魚の養殖場である「やまと錦魚園」の一角にある施設なのです。

辺り一面に広がるため池
辺り一面に広がるため池
郡山金魚資料館の外観
郡山金魚資料館の外観
資料館入口
資料館入口

大和郡山市は自他ともに認める国内有数の金魚の産地。金魚の養殖が盛んになった要因としては水質や水利に恵まれた農業用溜池が多くあった地理的要因、そして、溜池の浮遊生物が金魚の餌として適していた自然的要因、また、柳沢吉里が大和郡山に赴任になった際に金魚が持ち込まれた後、幕末の武士、明治維新後に職録を失った藩士や農家の副業として定着した歴史的要因などにあります。こういったことから大和郡山での金魚養殖の歴史は300年に及んでいるようです。

金魚資料館では金魚の展示が行われており、種類ごとに水槽が分けられて展示されています。ここには約40種類の展示があるとのこと。こんなに種類があるものかと思いますが、もともと、金魚は人為的に生み出されたものなのです。金魚の先祖はフナであり、その突然変異で発生した個体(赤いフナなど)を人為的に交配して生まれています。金魚もフナと同様、遺伝的に突然変異が起きやすいことから、その特徴を利用しつつここまで様々な品種が生まれ、現在に至っています。有名な品種であれば、和金・コメット・出目金など。これらの品種名は耳にした方もいらっしゃるかもしれませんね。

郡山金魚資料館の金魚展示スペース
郡山金魚資料館の金魚展示スペース
和金
和金
コメット
コメット
出目金
出目金

個人的な話になりますが、筆者は子供時代に金魚すくいですくい上げた金魚を飼っていたこともあり、当時自分が飼っていた金魚はどれかと探しながら見ていました。ペットとしては比較的メジャーながらも、金魚に特化した展示施設は珍しく、これも恐らく生産地だからこそできることなのかもしれません。しかも、郡山金魚資料館は無料、出入り自由です。ほかにも、金魚にまつわる民俗資料・古書・浮世絵・資料の展示があったり、屋外の養殖場の見学も自由にでき、気軽に金魚の鑑賞や学習ができます。

郡山金魚資料館における資料展示スペース
郡山金魚資料館における資料展示スペース

そして、金魚資料館を後にし、30分ほど歩きます。もはや軽い運動になってしまいますが、「稗田環濠集落」に到着です。JR郡山駅から直接行くと徒歩約20分程度です。地理を学習した方であれば「環濠集落」という言葉は頭の片隅に残っているかもしれません。環濠集落とは防御目的にて集落の周縁部にお濠を廻らせた集落のこと。稗田集落はその代表例としてよく地理の教科書に取り上げられる集落で、そもそも、現在に至るまで明確な形で残されている環濠集落は珍しいとのこと。

稗田環濠集落の詳しい形成時期は不明であるものの、室町時代には既にあったといわれています。もちろん定義の通り、集落がお濠に囲まれているほか、集落の中の道は鉤型のカーブが散見されたり、袋小路になっているといった特徴があり、遠くが見通せない点や道に迷いやすい点で、防御に資するつくりとなっています。また、集落内には「大和棟」と呼ばれる大和地方(奈良県一帯)に見られる伝統的な家屋形態が多く残っており、狭い路地とあわせて美しい景観を生んでいます。

稗田集落における環濠
稗田集落における環濠
稗田集落の街なみ
稗田集落の街なみ

時間があれば集落の入口付近にある「賣太神社」にも立ち寄ってみたいところ。これで「めたじんじゃ」と読みます。とあるSNSの運営会社を彷彿とさせる名前ですが、ここに主祭神として祀られているのは稗田阿礼。稗田阿礼は古事記の編纂に携わったとされ、聡明で記憶力抜群だったとのこと。このことからも、学問・知恵の神などとしての信仰を集めているようです。

賣太神社入口
賣太神社入口
賣太神社の社殿
賣太神社の社殿

それではそろそろ移動の時間が迫ってきたところで、郡山駅へ戻ることに。それにしてもかなり歩き、無事、足に疲労を蓄積することになりました。

【12:34発/13:03着】 大和川の景色がきれいな関西本線で天王寺へ

それでは郡山駅から移動を再開。関西本線(大和路線)の続きの区間を走る大和路快速の大阪方面行きを天王寺駅まで乗車します。奈良駅から移動してきたときも同様でしたが、車両は221系電車。車内の座席配置はクロスシートとなっており、特急券を払わずに移動できる列車としては結構快適です。しかも、列車は8両固定。平日日中のいまの時間帯は乗客が少ないうえに両数が多いので、その快適さはさらに増幅します。郡山観光で歩きすぎた足を癒すのには最高の環境です。

大和路快速の221系電車
大和路快速の221系電車

さて、列車は郡山駅を出てしばらく、法隆寺駅へ。駅名の通り、世界遺産の法隆寺の最寄駅です。そして、次は王寺駅。王寺駅手前までは田園風景が主となりますが、和歌山線が交わると広大な鉄道用地を持つ王寺駅に到着。和歌山線の起点駅であり、桜井線方面からの列車も乗り入れる関係で電留線があるため、奈良県内でも比較的規模が大きい駅です。これに加え、JRだけでなく近鉄2路線も乗り入れます。大和路快速は王寺駅まで各駅に停まっていましたが、ここからは快速列車としての真価を発揮し、次の久宝寺駅までの途中駅6駅を連続通過(距離にすると15km)。その間、府県境の先、大阪府内にある柏原駅までは大和川が車窓の両側で見ることができ、特に府県境付近では中山間地域を通過するため、自然豊かな車窓が見られます。

郡山・大和小泉駅間の田園風景
郡山・大和小泉駅間の田園風景
王寺駅手前のカーブから構内を見渡す
王寺駅手前のカーブから構内を見渡す
王寺・三郷駅間で見える大和川の車窓
王寺・三郷駅間で見える大和川の車窓

柏原駅付近から先は大阪のベッドタウンを颯爽と通過。久宝寺駅を出発するといよいよ大阪24区に達し、大阪環状線や阪和線などの様々な路線と合流すると、天王寺駅へ到着します。

東部市場前・天王寺駅間。都会らしくなってきている。
東部市場前・天王寺駅間。都会らしくなってきている。
天王寺駅停車中の221系電車
天王寺駅停車中の221系電車

【13:03-16:27】 天王寺駅周辺の近代的・歴史的スポットを観光

天王寺駅へ到着し、この周辺でしばしの間、大阪観光をしていくことに。その前に時刻は13時を回っているので、ここで腹ごしらえをしていきます。大阪名物となる料理は多いですが、今回は串カツを選択。天王寺駅直結のアベノ地下街にある「串カツ料理 活」さんへ立ち寄ります。

天王寺駅
天王寺駅
天王寺駅隣接の歩道橋から見る新世界・天王寺公園。
天王寺駅隣接の歩道橋から見る新世界・天王寺公園。偽の大阪城があることにお気づきだろうか?
「串かつ料理 活」外観
「串かつ料理 活」外観

大阪の串カツというとやや居酒屋チックな雰囲気で「二度漬け禁止」の看板があるイメージが先行しますが(串カツ田中みたいな)、活の店内は少しモダン気とおしゃれさがある雰囲気。メニューの中には「おまかせ」もあり、客からストップというまで、板前さんのおすすめの串カツがランダムで出される方式のコースもあります(勝手に「エンドレス串カツ」と呼んでいます)。ただし、今回は時間も限られているので、お手軽な「串かつ御膳」を注文。豚串、牛串、えび、なす、エリンギなどの7種類の串カツとサラダなどがつきます。ソースは普通のソースと辛子入りのソースの2種類。ソースは個々に提供されるので、二度漬け・三度漬けし放題です。肝心な串カツは外はさっくり、具はほっくりで美味でした。

串カツ御膳(串カツ以外)
串カツ御膳(串カツ以外)
串カツ御膳の串カツ
串カツ御膳の串カツ

腹ごしらえが済んだところで、大阪お馴染みとなった「あべのハルカス」へ向かいます。あべのハルカスは近鉄大阪阿倍野橋駅直結、天王寺駅に隣接する地上300mの日本一の高さのビルです…。と言いたかったのですが、それは訪問当時(2023.4)の話で執筆待ちの間に「麻布台ヒルズ森JPタワー」(東京・高さ325m)に抜かされてしまいました。さらにいえば現在、高さ385mとなる予定の”Torch Tower”(東京)が着工されており、2028年3月末に竣工予定とのこと。そのうちは3番目になってしまいそうです。

あべのハルカス入口
あべのハルカス入口
あべのハルカス外観
あべのハルカス外観

それはともかく、あべのハルカスは近鉄百貨店・オフィス・ホテル・美術館などが入る複合商業施設ですが、最上階には展望台「ハルカス300」があり、大阪市街地やその周辺の風景を眺めることができます。今回は展望台へ訪問しにいきます。一旦、16Fで当日チケットを購入し(前売券もあり)、そこからエレベーターで60Fの展望台へ。結論、大阪一の高さを誇る展望台からの眺めは非常によいです。視界を遮る建築物がないので遠くまで見え、下の景色はまるで模型のよう。いうまでもなく、高さがあるので(個人的には)程よいスリルがあります。

ハルカス300入口(16F)
ハルカス300入口(16F)

東西南北の方角の全てが見渡すことができ、方向別に見えるのはおおよそこんな感じです。

【ハルカス300から見える景色】
東: 鉄道路線(大阪環状線鶴橋方面・関西本線・阪和線・近鉄南大阪線)、主要道路(国道25号、天王寺バイパス、あびこ筋)、高安山、生駒山など
南: 阪堺線、主要道路(阪神高速14号松原線、あべの筋)、ヤンマースタジアム長居など
西: 鉄道路線(関西本線・大阪環状線大阪方面・南海本線)、主要道路(阪神高速14号松原線、国道25号)、新世界、天王寺公園、大阪湾など
北: 天王寺公園・四天王寺・谷町筋・難波・梅田など

東側の景色。線路が絡み合う。
東側の景色。線路が絡み合う。
西側の景色。大阪環状線の線路が南北に走る。
西側の景色。大阪環状線の線路が南北に走る。

鉄道ファンである筆者としては東側の景色が見ごたえがあり、大阪環状線・関西本線(大和路線)・阪和線・近鉄南大阪線が複雑に絡み合う様子や、頻繁にやってくる列車を見ているとまるで精巧に作られたNゲージのように思えてきます。細かく見ていると一日入り浸れそうな気がしてきます。

しかし、時間とは無情なもので、タイムリミットが到来。あべのハルカスを後にして、天王寺駅から北方向へ徒歩15分、次にやってきたのは「四天王寺」です。四天王寺は聖徳太子が593年に創建した日本仏法における最初の寺院。創立のきっかけは聖徳太子が経験した崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏の戦いで蘇我氏が勝利したこと。当時、聖徳太子は蘇我氏についており、戦闘中に四天王寺を彫り、蘇我氏が勝利した暁にはこれを安置する寺院を作ることを誓っていたところ、実際に蘇我氏が勝利。誓い通り、すべての人々の救済すべく、この四天王寺が創建されたのです。

四天王寺南大門
四天王寺の南大門

特に見どころとなるのが中心伽藍(有料エリア)。中心伽羅を構成する中門・五重塔・金堂・講堂が一直線に並ぶ光景は秩序立っており見ていてどこか気持ち良いというかなんというか。そして、これらの建造物を回廊が四角形を描くように囲っており、このような建築方式を「四天王寺式伽藍配置」というらしいです。

中門。この中に中心伽藍がある。
中門。この中に中心伽藍がある。
手前から五重塔・金堂・講堂が一直線に並ぶ。
手前から五重塔・金堂・講堂が一直線に並ぶ。
回廊が中心伽藍を取り囲む
回廊が中心伽藍を取り囲む

また、金堂は四天王寺の最も主要なお堂であり、ここに本尊である救世観音を祀っているそうです。中ではお坊さんが木魚を叩きながらお経を読んでおり、荘厳な雰囲気が漂っています。五重塔については内部も拝観することができ、最上階からは境内の眺望を見ることができます。

少し時間があったので、中心伽羅を後にし、同じ四天王寺の敷地内にある庭園へ(有料エリア)。この庭園は「極楽浄土の庭」といわれ、「ニ河白道(にがびゃくどう)」という中国の説話を庭園で表現しているようです。「二河白道」の「二河」とは二つの河を表し、それは「水の河」と「火の河」。「水の河」は「貪り」を象徴し、「火の河」は「怒り」を象徴するといわれます。また、「白道」はこれら二つの河の間にある道のことで、この道を通ることで極楽浄土に達することができるという教えとのこと。極楽浄土の庭ではこれに準えて、二つの河に見立てた水路を設け、この間にある通路を歩くという体験ができます。しかし、抽象的で頭の中で描かれる(あっても絵画のような二次元)ような仏教の世界観を三次元の庭で表現してしまうとは。その計らいにはセンスを感じます。

極楽浄土の庭の入口付近
極楽浄土の庭の入口付近
極楽浄土の庭①
極楽浄土の庭①
極楽浄土の庭②
極楽浄土の庭②

それでは一通り、四天王寺を見たところで、天王寺駅へ。土地勘こそないものの、あべのハルカスを頼りにすることで、地図なしでたどり着くことができるのがありがたいです。それにしても、奈良観光と合わせると、本日はこの時点で合計100分以上歩いていることになります。どうりで疲れるわけだ。

【16:27発-18:35着】天王寺から大阪環状線・片町線・関西本線経由で奈良へ帰還

それでは天王寺駅から移動を再開していきます。まずは大阪環状線で京橋駅へ。本来であれば内回り(鶴橋駅経由)で行くのが合理的なところですが、これは最長片道切符の旅。外回り(西九条・大阪駅経由)に乗車する必要があります。

大阪環状線323系電車
大阪環状線323系電車

大阪環状線は関東でいう山手線にあたる大阪の大動脈。関西の方であれば何気なく乗ってしまいがちかもしれませんが、意外と見どころも多いものかと。天王寺駅を出発ししばらく、関西本線と並走し(厳密には新今宮駅までは関西本線に所属)、今宮駅で分岐していきます。最初の見どころは大正駅出発後。京セラドームが見えてきます。どこかUFOのような特徴な見た目のドームを見ると大阪に来たことを実感します。大阪駅に近づくタイミングでは阪神高速11号池田線の梅田ICのランプウェイがビルの中に入り込んでいく珍しい光景が見られます。また、天満・桜ノ宮駅間で大川を渡ると、乗換駅の京橋駅はすぐそこです。

京セラドーム(大正・弁天町駅間)
京セラドーム(大正・弁天町駅間)

遠回りとはいえど、山手線に比べコンパクトで約30分の乗車で京橋駅へ到着。京橋駅では片町線(愛称: 学研都市線)に乗り換え、木津駅へ向かいます。

京橋駅
京橋駅
大阪環状線323系電車
大阪環状線323系電車②

片町線の列車は比較的高頻度で運転されますが、木津駅は片町線の一番端にある駅。そのため、木津駅まで行く列車は平日朝夕でも1時間に2本とやや少なめです。京橋駅に着くタイミングが悪く、数分前に木津行きの列車が出発したばかりだったため、ここで20分以上の待ちぼうけを喰らうことに。

そしてようやく快速 木津行きの列車が到着。覚悟はしていましたが、やはり夕ラッシュの時間が近づいており、京橋出発時点では学校帰りの学生さんや会社帰りの方などで混雑していました。そのため、車窓という点ではあまりよくわからなかったですが、一ついえるのは徳庵駅手前にある近畿車輛の工場。鉄道車両の製造所のため、様々な鉄道車両が車窓に映ります。今回通りがかった際は東京メトロ丸ノ内線の車両を目にすることができました。

列車は引き続き、四条畷市や寝屋川市・枚方市などの大阪のベッドタウンを通る中で少しずつ乗客が減少。途中まで立って乗車していましたが、目の前のシートが空き、無事に座席を確保。しかし、歩きすぎた疲れが出てしまい、結局終点まで眠る始末(この日の一日の歩数は28,458歩でした)。

夢の世界から現実世界に戻ったのは、京都府に入り、終点の木津駅到着手前のタイミング。記事にできる沿線ネタがほとんど得られぬまま下車。

片町線(学研都市線)321系電車
片町線(学研都市線)321系電車

まあやってしまったことは仕方ないので、本日最後の列車に乗って奈良駅まで戻ります。木津駅で奈良方面の列車を待っていると、奈良行きの普通列車が到着。車両は205系電車。丸い前照灯を左右に1つずつつけた製造当時の正面の顔の型式がみられるのはかなりレアなため、昔、山手線などで乗ってきた身としては懐かしい気分になります。

奈良線205系電車
奈良線205系電車

この列車は奈良線の京都方面からの列車かと思われましたが、結局その後、関西本線の加茂方面からやってきた列車が先発ということがわかり、そちらで奈良駅に向かうこととしました。

大和路線221系電車
大和路線221系電車
夕焼けに照らされる池(?)の車窓
夕焼けに照らされる池(?)の車窓
奈良駅の駅名標
奈良駅の駅名標
奈良駅
奈良駅

乗車すること8分で本日の最終目的地、奈良に到着です。この後、本来であれば奈良名物を食べるところ、くたくたになり、駅前の餃子の王将で手軽に済ませてしまいました。

大阪王将の麻婆豆腐
大阪王将の麻婆豆腐
お店オリジナルのニラ餃子
お店オリジナルのニラ餃子

それでは本日はこの辺で。お疲れ様でした。

【YouTube】