【最長片道切符の旅#41】天国から地獄へ!ローカル線の罠にはまった日

最長片道切符の旅41日目。本日は2023年5月10日(水)。宮崎県の都城駅から旅をスタートしていきます。
(最長片道切符の旅の概要はこちらからご覧ください)

【旅程: 最長片道切符の旅41日目(当初の予定←これ重要)】
■ 都城観光
 ● 都城駅 (8:30発)
 ↓ 宮崎交通(バス) 41-43系統
 ● 志比田 (8:45着)
  ・霧島ファクトリーガーデン(ミュージアム・工場見学・ランチ)
 ● 志比田 (12:05発)
 ↓ 宮崎交通(バス) 41-43系統
 ● 都城駅 (12:20着)
■ 都城駅 (13:05発)
↓ 吉都線/肥薩線 普通
■ 隼人駅 (15:36着/16:16発)
↓ 日豊本線/鹿児島本線 普通
■ 鹿児島中央駅 (17:03着)
■ 鹿児島観光 (前半)
 ・霧島温泉
 ※鹿児島観光は翌日に続きを実施予定

本日の移動予定区間は上記の通り、都城・鹿児島中央駅間となります。本来は日豊本線の一路線(しかも特急一本でアクセス可)で行けるところですが、わざわざローカル線である吉都線・肥薩線を遠回りしてから行くことになります。故に、意思に反してのんびりした旅になりそうです。

しかしそれ以上に、本日は最長片道切符の旅が始まってから一番大変なことが起こります…。

【8:30-13:05】 「黒霧島」で有名な芋焼酎メーカー、霧島酒造の工場見学に行く

まずは宮崎県内の観光として、都城市内を観光していきます。市内で寄るのは一箇所のみですが、思いっきりそこで満喫していきます。今回向かうのは「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」。黒霧島などの芋焼酎のブランドで有名な霧島酒造の工場を主体とした複合施設です。主な目的は工場見学。工場好き・酒好きな自分としては結構前から楽しみにしていた訪問先です。

都城駅
都城駅

霧島ファクトリーガーデンまでは少し離れているため、都城駅からバスを利用。バスは途中で日豊本線の隣の駅、西都城駅を経由します。駅名的に判別が難しいですが、都城市の中心市街地は都城駅よりも西都城駅の方が近く、景色的にも確かに西都城駅付近の方が商店街が充実しているように見えます。今回は目的地の最寄りバス停である「志比田」バス停で下車。そこからさらに12分ほど歩きます。

都城駅バス停
バスで目的地へ。
西都城駅
西都城駅をバスで経由。都城市中心市街地から一番近い。 (※鉄道では通らない)
志比田バス停
目的地最寄りの志比田バス停

目的地の霧島ファクトリーガーデンへ到着。先述の通り、焼酎の生産工場を核とした場所ですが、周囲はそれなりに広く、そこにはレストラン・ショップ・ミュージアム・ベーカリー、さらにはゴルフ・ピクニック用のグラウンドや多目的ホール、極めつけはビーチバレーの国際規格に適したホワイトサンドの砂場まで…。もはや、観光施設やレジャー施設として成立するレベルの場所です。

霧島酒造の志比田工場
霧島酒造の志比田工場。霧島ファクトリーガーデンの核となる。
霧島ファクトリーガーデン
霧島ファクトリーガーデンの訪問拠点となる建物。ショップ・レストラン・工場見学の受付などがある。
霧島ファクトリーガーデン
グラウンドとその境界にある花(サルビア?)
霧島ファクトリーガーデン
ホワイトサンドの砂場。ビーチバレー大会が行われることがある。

先述の通り、今回の主な目的は工場見学ですが、10時からで予約しているため、他の場所を見学しつつ待つことに。まずは「霧島エコファクトリー」というところへ。ここは焼酎の生産工場ではなく、芋焼酎の製造過程で生じる産業廃棄物をリサイクルするプラントがある施設です。こちらは工場見学ではなく、シアタールームでその取り組みを見るスタイル。その映像によると、芋焼酎の製造過程においては産廃として生じる芋のカスを微生物の働きによってメタンガスに変えて、芋焼酎製造時に熱エネルギーとして活用したり、堆肥を作ることでサツマイモの生育に活用するなど、リサイクル活動にも力を入れているとのこと。いやー、SDGsだなーと(浅い)。

霧島エコファクトリー
霧島エコファクトリー

その後は「霧の蔵ミュージアム」へ。やや急ぎ足で見たため、詳細までは見られていませんが、都城に限らず、基本的に、ある土地である特定の産業が発達するのはその場所ならではの「地の利」があるのがほとんど。霧の蔵ミュージアムで学んだこととして、霧島酒造が都城の地で焼酎づくりができているのは良質な水が手に入るからということ。その水を生み出すのは宮崎・鹿児島県境に聳える霧島連峰の火山群。霧島連峰の山々はかつてから噴火を繰り返しており、その際の噴出物が積もることでシラス台地を形成。そこに雨水が染み込むことにより、ろ過された結果、良質な水が生成されるのです。この水を「霧島裂罅(れっか)水」といい、これが焼酎づくりに欠かせないようです。ちなみに、霧島ファクトリーガーデンの敷地内にはこの霧島裂罅水の水汲み場があり、自由に持ち帰りをすることが可能です。

霧島裂罅水の水汲み場
霧島裂罅水の水汲み場

それでは次はお待ちかねの工場見学の時間。受付を済まし、ガイドの社員さんによる説明を受けながら焼酎の製造工程を学んでいきます。ちなみに、工場見学は無料。要予約ですが、基本的に毎日行われているようです。この時は平日ということもあり、自分を含めて2組3名のみでした。

霧島酒造のプラント
霧島酒造のプラント(工場見学の写真の代わりとして)

ところで、前提として、焼酎は以下の製造で作られるとのこと。主原料は米麹とサツマイモで、最初の仕込みは別々に分けて行われます。

  • 【焼酎の製造工程】
  • A. 米麹の仕込み
  •  ① 米に麹菌をまぶして米麹を作る
  •  ② 霧島裂罅水を混ぜて発酵させる(=酒母)
  • B. サツマイモの仕込み
  •  ③ サツマイモを洗浄する
  •  ④ 洗浄されたサツマイモを蒸して細かくする
  • C. 発酵・蒸留・熟成
  •  ⑤ 上記(A)と(B)で仕込んだものを混ぜ、発酵させる
  •  ⑥ ⑤を沸騰させて発生した蒸気を冷却する(=蒸留)
  •  ⑦ タンクで⑥を約4ヶ月発酵させる(=熟成)
  • D. ブレンド・出荷
  •  ⑧ 各タンクごとの焼酎をブレンドする
  •  ⑨ 瓶詰め、ラベリングして出荷

今回の工場見学では上記A~Cまでの工程を見学。ガラス越しではあるものの、霧島酒造では徹底的に機械で管理しており、タンクが十数本並んでいる場所であっても、配置されるのはほんの数人程度。そのため、内装はいたって現代的な感じです。そして、何より印象的なのは工場の中には焼酎のよい香りが立ち込めていること。焼酎好きにとってはたまらないのかもしれません(社員さんだと逆に鼻が慣れてしまうかもしれない)。

また、工場見学の最後には試飲タイムもありました。試飲のラインナップは黒霧島・白霧島・赤霧島などの5種類。今となってはどれがどういう味かまでは覚えていませんが、ただ一つ思ったのは焼酎も案外悪くないと思えたこと。自分から焼酎の生産工場に行っておきながらではあるものの、実は焼酎に対しては正直、苦手意識(飲まず嫌い)がありました。しかし、試飲を通して、焼酎が意外とおいしいことがわかり、適量であれば飲めそうと思えるようになりました。今回の試飲では5種類全部頂きましたが、やはり飲みなれていないこともあり、ほろ酔い寸前まで行ってしまいました。

ちなみに、工場見学に参加されていたもうお二人は大分から来られたシニアのご夫婦。その方とも交流する機会がありましたが、旦那さんの方は普段から焼酎を飲んでいるらしく結構詳しそうな方で、その方は白霧島がお好きとのこと。ガイドさんとも色々お話をされていましたが、自分に関しては、焼酎はずぶの素人なので話についていけませんでしたが、一つ印象に残っているのはその旦那さんとしてはもっとがつんとしたものを出してほしいと仰っていたこと。焼酎好きらしいごもっともなご意見だと思いますが、お酒は嗜好品であること、そして、酒造会社という営利企業であることもあり、その落としどころは難しそうだなと思った次第です。ガイドさんもガイドさんで自社商品も愛飲しているらしく、楽しそうに語っているのが印象的でした。

工場見学中は撮影禁止だったため、写真でお伝えできないのがもどかしいところですが、工場好き・お酒好きであれば参加してみる価値はあると思える内容でした。工場見学の時間は約1時間でしたが、とても良い時間を過ごしました。

工場見学を終えた時点で時刻は11時過ぎ。帰りのバスまで残り1時間のため、敷地内にあるレストランで昼食に。実はここに来た裏の目的があり、それが霧島酒造が合わせて製造しているクラフトビール「KIRISHIMA BEER」を飲むこと。ここでその一つであるペールエールを注文し、食事は「宮崎牛のタリアータ」を頂くことに。ちなみに、このレストランでも例の霧島裂罅水が出てきます。霧島裂罅水と霧島酒造は完全に運命共同体といった感じですね。

霧島裂罅水
レストランで出てきた霧島裂罅水

さて、肝心なKIRISHIMA BEERのペールエールですが、程よい苦みの刺激が最初に感じ、その後に柑橘系の爽やかさが抜けていきます。本当はもう一杯行きたかったところですが、この後のことを考えて自重することに。宮崎牛のタリアータに関してはやや歯ごたえがあるものの、その分味わいを感じられる肉質が特徴だったように思います。ランチとしてはかなり贅沢さを感じられる内容でした。

霧島酒造の"KIRISHIMA BEER"と宮崎牛のタリアータ
霧島酒造の”KIRISHIMA BEER”と宮崎牛のタリアータ

食事を終えたところで、タイムアップ。敷地内にはまだまだ施設はありますがこの辺で切り上げて駅へ戻ることに。霧島ファクトリーガーデンは本気で巡ると、終日は滞在できるスポットのため、かなり散策しがいのあるスポットだと思います。お酒が絡むスポットなので、周囲の公共交通機関の便がもう少し良いとありがたいなとは思いますが、またいつかゆっくり訪ねられればと思える場所でした。

試飲+食事時のアルコールで気持ちよくなりつつ、行った道を戻り、都城駅へ帰還。その後、このウハウハ気分を覆す出来事が発生します…。

都城駅
都城駅へ帰還。

【大ハプニング】ローカル線の罠にはまる

都城駅へ戻り、ここから移動を開始していきます。最初に乗車するのは13時5分発、吉都線・肥薩線経由の隼人行き。

改札を通過する直前に、のりばを確認しようと、改札口真上にある発車案内を見ると、乗車予定の列車は表示されておらず、この案内によると次の列車は16時9分発の吉松行きであるとのこと。

都城駅の発車案内
吉都線は真ん中のモニター。乗車予定の13時5分の情報がない。

何かの見間違いかと思い、今度は改札口横にある時刻表の掲示板で再度時刻を確認。確かに13時5分発の列車は掲載があるので、おかしいなと思った矢先、そばにある貼り紙が目に入ります。これを見ると、、、

この貼り紙の概要としては南九州のローカル線である吉都線・肥薩線・指宿枕崎線は年に数回程度、日中に線路補修工事を行う関係で、その時間帯の運休がスポットで生じるというもの。同じ紙面には実際に運休が発生する線区・日程・対象列車が掲載されており、そこに5月10日(水) 13時5分発の列車の記載が!運休ですやん!この瞬間に一気に酔いが醒め、どうしようかということで、頭が高速回転しだします。

都城駅の吉都線の時刻表
吉都線の時刻表。13時5分発の列車の記載はあるが、横の貼り紙で運休であることが判明!

冒頭の通り、今回の目的地は鹿児島中央駅。16時9分発の吉都線の列車に乗車しても、本日中に鹿児島中央駅には着けるものの、それを難しくするややこしい旅のグランドルール(独自ルール)があります。それが「最長片道切符のルート内の移動は6時から18時まで」というルール。例外的に、「18時までに乗車した列車が途中で18時を過ぎても運行される場合はその列車の終点駅まで有効」という逃げ道的なルールも設定しているものの、これを適用したとて、どう考えてもルールの範囲内では本日中に鹿児島中央駅に着くのは無理です。また、全区間にわたり、日豊本線経由(霧島神宮経由)で行くという方法もありますが、これでは最長片道切符のルートを一部スキップすることになるので、これは却下です。

最長片道切符のグランドルール (動画より抜粋)

結論、今回の対応としては、今晩のホテルを鹿児島中央駅付近で予約している関係上、とりあえず鹿児島中央駅までは行くこととするものの、先述のルールに準拠しない移動分は翌日にまたルールに準拠する形でやり直すこととしました。ただし、この時点で数日先の旅程まで完成してしまっているため、予定の練り直しが必須になります。次の吉都線の列車までは約3時間30分あるため、この待ち時間はすべて今後の(一人)作戦会議の時間に充てることに。駅の待合室に籠って、ひたすらPCやスマホとにらめっこしていました。

都城駅の待合室
都城駅の待合室。約3時間にわたってここで旅程修正。

列車の時間が近づいた時点で、少なくとも本日この後どうなるかまでは見えてきました。実際はもう少し先まで旅程が決定していますが、ネタバレになるので、本日のこの先の旅程だけ記しておきます。

【本日のこの後の旅程 (変更後)】

■ 都城駅 (16:09発)
↓ 吉都線 普通
■ 吉松駅 (17:52着/18:12発)
↓ 肥薩線 普通
■ 隼人駅 (19:03着/19:14発)
↓ 日豊本線/鹿児島本線 特急きりしま15号
■ 鹿児島中央駅 (19:44着)

※鹿児島中央駅到着後の「霧島温泉」訪問は中止。ホテルで旅程修正の続き。
※吉松駅から先はルール外移動となるため、翌日に再移動。

この後の時刻を参照すると、ルールの範疇で移動できるのはどうあがいても吉松駅まで。先述の通り、一旦は鹿児島中央駅まで行くものの、翌日朝一に吉松駅まで戻ってから、再移動する流れとなります。この範囲だけでも、今回の一件で生じる影響の大きさをお分かり頂けるのではないかと思います。

ちなみに、今回のこの一件ですが、結論としては完全に自分の落ち度によるもの。基本的に、今回の旅の旅程は「JR時刻表 2023年3月号」を使って立てていますが、このときは既に5月。使っている時刻表が若干古いことは重々承知なので、いつもはネット上で最新のダイヤを使って本当にその便が存在するか再確認しているものの、いつからかこの再確認の作業を怠っていた(もしくは忘れていた)ような気がします。これが今回のミスの真の原因です。上記時刻表の3月号には今回の運休の件が掲載されておらず、現地で確認するまで気づけなかったという経緯となります。しかし、その時刻表の巻頭にも、「時刻は毎月変わること」「その月の時刻表を使うように」と記述があるため、JR九州や時刻表の出版社を責めることはできないのです。そういうわけで、「旅程は最新の情報を参照して立てる」という極めて当たり前の教訓を得るのでした。

【16:09発/17:52着】 吉都線で霧島連峰を眺めながら吉松駅へ

「起きてしまったことはもうしゃーない」
このように自分に言い聞かせて、旅を続行していきます。

結局、予定の1本後の16時9分発、吉都線の吉松行きに乗車して、終点の吉松駅を目指します。いかにもローカル線らしくキハ40系の1両編成が充当されています。夕方になってようやく本日のスタート地点である都城駅を出発。こんなことはこの旅では前代未聞です(遅くともいつもは午後一くらいまでには出発しているので)ローカル線といえども、都城駅出発時点で既に学校帰りの高校生が多く、4席すべて空いているボックス席は少ない状態となっています。

吉都線のキハ40系
吉都線のキハ40系

都城駅の構内を出て日豊本線の線路から分岐。大淀川を渡ると、進行方向右手には先ほど訪問した霧島ファクトリーガーデンを見ながら進んでいきます。あそこにいた頃の自分はまさか今頃こんな風になるとは気づいていなかったでしょう。

次の日向庄内駅からは他校の高校生が乗車して、立ち客が大勢の状態に。こういう状態でも、自分の座っているボックスのほか3席は1席も埋まらず、なんだか複雑な気分になります(見ず知らずの人との相席を嫌がる高校生は地方共通で必ずいるが)。

さて、肝心な車窓ですが、吉都線の車窓のメインはやはり霧島連峰の山々。吉都線は霧島連峰の東側から北側を取り巻くように走るため、多くの区間で山の景色を眺めることができます。谷頭駅の手前まで来ると早速、霧島連峰の第二峰である高千穂峰(恐らく)のお目見えとなります。そして、日向前田駅出発後は霧島連峰の山々がもう少し広い範囲で見渡せるようになります。また、次の高原(たかはる)駅付近の市街地手前では高千穂峰がきれいに見ることができます。

高千穂峰の車窓
多分、高千穂峰 (日向庄内・谷頭駅間)
高千穂峰の車窓
高千穂峰 (日向前田・高原駅間)
高千穂峰の車窓
高千穂峰 (高原駅手前)

高原駅を出発し、高原町の市街地を離れた後、次に見える市街地は小林駅付近の小林市の中心市街地です。小林駅では都城・日向庄内駅で乗車した高校生が大勢下車。これで落ち着くかと思いきや、それと同数程度の高校生が乗車。ローカル線存続のうえで、高校生は本当に欠かせない存在です。

対向列車との交換を済ませて小林駅を出発すると、今度は霧島連峰の最高峰、韓国(からくに)岳を中心とした山々が見えてきます。その付近には近年も噴火活動を繰り返している新燃岳もあります。特に2011年の噴火は四国まで空振が確認されるほどの規模のもので、周囲では建物のガラスが割れるという被害も相次ぎました。次の西小林駅付近からは徐々に山々が後ろに遠ざかり、車窓から山は多少見えにくくなります。

小林市街地と霧島連峰の車窓
小林市市街地と霧島連峰。一番高いのが韓国岳 (小林・西小林駅間)

その後、列車はえびの盆地(加久藤盆地)へ差し掛かり、えびの市の市街地にあるえびの駅を経由。えびの駅には開業当初の大正期から現役の駅舎があり、吉都線の唯一の木造駅舎でもあります。そして、次の京町温泉駅で宮崎県内は最後となります。県境を前にしてここでようやく列車は落ち着きを取り戻します。それでも、一部の高校生は残っており、越境通学の方もいるようです。

京町温泉駅
京町温泉駅。徒歩圏内に京町温泉がある。隣の鶴丸駅も同様に鶴丸温泉がある。

鹿児島県へ入り、鶴丸駅へ停車した後、肥薩線の線路へ合流すると終点の吉松駅へ到着です。ここで18時を迎えることとなるので、本日の有効な移動としてはあえなくここで終了となってしまいます。

吉松駅
吉松駅へ到着。

【18:12発/19:44着】 とりあえず鹿児島中央駅を目指して移動

有効な移動としては吉松駅までですが、先述の通り、鹿児島中央駅周辺のホテルを予約してしまっているので、ここからはルート外という扱いにてとりあえず鹿児島中央駅へ向かいます(そもそも吉松駅付近に宿泊施設がないのだが)尚、明日も同じルートを通るため、ごくごく簡潔に記載していきます。

吉松駅の駅名標
吉松駅の駅名標
吉松駅の肥薩線隼人方面の時刻表
肥薩線隼人方面の時刻表。次は18時12分なので、この後の移動はルール外となり無効となる。
JR乗車券
ルート外扱いの移動とするため、最長片道切符とは別の乗車券を用意して移動。
肥薩線のキハ40系
肥薩線のキハ40系

吉松駅からは18時12分発、肥薩線の隼人行きで終点の隼人駅へ向かいます。これが18時より前に出発すれば隼人駅まで移動が有効になったのに、と思わないことはないのですが、いまできることはルールを定めた時の自分を恨むことくらいです。

ところで、今回は2回目の乗車があるため、夕刻の肥薩線(吉松・隼人駅間)の混雑具合を観察をしてみましたが、吉松駅出発時点では自分のほか、もう一人の同業者と思しき方の2名のみ。霧島温泉駅からは学校帰りの高校生が乗車し、ある程度席が埋まり、終点の隼人駅に着くころにはその半分程度となっていた印象でした。周辺の学校事情を調べると、肥薩線の鹿児島県区間(吉松・隼人駅間)における高校は霧島温泉駅と隼人駅付近にあるのみのため、大きく乗客数に変動があるのはこの2駅のみとなりそうです。それでも、肥薩線はローカル線ではあるものの、学生利用がそれなりにある印象でした。翌朝もまた1往復乗車することになるので、ついでにまた観察してみることとしました。

JR九州キハ40系の車内
キハ40系の車内。途中の霧島温泉駅までは空いていた。
隼人駅
隼人駅

続いて、隼人駅からは19:14発の特急きりしま15号に乗車し、日豊本線経由で終点の鹿児島中央駅まで向かいます。隼人・鹿児島中央駅間は約30kmと近いため、あまり特急列車を使いたくなかったものの、普通列車の接続は約40分もあったため、今回は仕方なく課金することに。肥薩線から乗り換えをする高校生の中には鹿児島中央方面に向かいそうな方も見られましたが、皆さん普通列車を待っている様子。これを毎日のようにしていると思うとちょっと気の毒な気もします。

特急きりしま号の787系電車
特急きりしま号の787系電車

今回は(も)当然自由席に乗車しましたが、車内はガラガラで両手で数えられるほどの人数程度しか乗車がありませんでした。車窓のメインはやはり桜島。特に重富・鹿児島駅間の錦江湾越しに見る桜島はきれいです。今回は日が暮れていたものの、それでもずんぐりした桜島のシルエットを見ることができました。

桜島の車窓
桜島が小さく映る。
夜の錦江湾と桜島
夜の錦江湾と桜島

鹿児島駅を過ぎると一区間だけ鹿児島本線を経由し、鹿児島県の代表駅である鹿児島中央駅へ到着します。

【19:55/20:30】 鹿児島で黒豚のとんかつを喰らう

それでは結果的に先回りする形で、鹿児島中央駅へ到着。移動距離は大したことないものの、色々と疲れました。

鹿児島中央駅の駅名標
鹿児島中央駅の駅名標
787系電車
787系電車

時間がやや遅いうえ、明日は早朝出発が確定しているので、夕食をさっと済ませてホテルへ向かうことにしました。
とはいえ、せっかくの鹿児島なので、名物の黒豚を扱う駅ナカの「とんかつ大山」さんへ入店することに。

とんかつ大山
とんかつ大山

こちらではハンバーグ定食やしゃぶしゃぶなど、あらゆる黒豚のメニューがありますが、今回は定番の「黒豚ヒレかつ膳」を頂くことに。注文すると、ごまの入ったすり鉢とソースが出てくるので、ごまを擦ったうえで、すり鉢の中にソースを入れておいて準備をしておくスタイルのようでした。ちなみに、ソースは辛口と甘口の2種類があり、力が入っている様子。肝心なヒレカツ膳に関しては大きな特徴は感じられませんでしたが、普通に美味しかったです。どちらかというと、とんかつそのものより、ソースが美味しかった印象。今回は辛口ソースを使いましたが、スパイシーさを感じる濃口なソースに、ごまの風味が合わさってとんかつの味を引き立てているように感じました。

とんかつ大山の黒豚ヒレかつ膳
黒豚ヒレかつ膳
とんかつ大山のソースとごま
事前にごまとソースを準備しておくスタイル。

それでは一旦無事に鹿児島へ着けたところで、本日はこれにて終了です。お疲れ様でした。

鹿児島中央駅
鹿児島中央駅

どーでもよいあとがき

本日のハプニングの後処理として、ホテルで旅程の立て直しの続きをしていたら、寝るのが深夜1時過ぎになりましたとさ(翌日は5時起き)。めでたしめでたし。

【YouTube】