【最長片道切符の旅#17】ついに関東進出!非合理の極みルートで栃木を目指す
最長片道切符の旅17日目。本日は2023年4月15日(土)。長野県の松本駅から旅をスタートします。
(最長片道切符の旅の概要はこちらからご覧ください)
この日の旅程は下記の通りを予定しています。
【旅程: 最長片道切符の旅17日目(当初の予定)】
■ 松本駅 (8:12発)
↓ 篠ノ井線・信越本線 快速
■ 長野駅 (9:11着/9:26発)
↓ 北陸新幹線 あさま612
■ 高崎駅 (10:19着/10:24発)
↓ 上越新幹線 とき313
■ 越後湯沢駅 (10:47着)
■ 越後湯沢駅 駅ナカ
■ 越後湯沢駅 (12:16発)
↓ 上越線 普通
■ 水上駅 (12:56着)
■ みなかみ観光
● 水上駅 (13:20発)
↓ 関越交通 水上線
● 谷川岳ロープウェイ駅 (13:40着)
・ 天神峠
● 谷川岳ロープウェイ駅 (15:10発)
↓ 関越交通 水上線
● 水上駅 (15:33着)
■ 水上駅 (15:53)
↓ 上越線 普通
■ 新前橋駅 (16:45着/17:09発)
↓ 両毛線 普通
■ 栃木駅 (18:42着)
今回のルートのポイントは高崎に着いてから栃木まで両毛線で一本で行けるにもかかわらず、わざわざ上越国境を越えて一瞬ながらも新潟県へ入ることです。これが最長片道切符の洗礼なのです。移動距離が延びるのであればどんな非合理なルートでさえも受け入れないといけないのが最長片道キッパーなのです(もちろんJRの旅客営業規則の範囲内で)。
また、新幹線経由のルートが多く、本日の移動距離は434.8kmと普段の距離よりも長くなります(普段は150-250km程度)。がんばりどころの一日となりそうですね。
【8:12発/9:11着】 日本三大車窓を眺めながら篠ノ井線で長野へ
それでは松本から旅を始めて行きます。まず乗車するのは長野行きの快速列車です。車両は211系。ちょっと残念なロングシートの車両。本日は土曜日ですが、立ち客がちらほら見られるほどの混雑でした。
篠ノ井線の車窓のポイントはなんといっても姨捨付近の長野盆地を見下ろす風景です。この列車は姨捨を通過するのでゆっくりと楽しめませんが、進行方向右手に流れる長野盆地を見ることができます。ちょうど線路が姨捨駅から稲荷山駅へかけて右カーブを描いているので、様々な角度から長野盆地を楽しめるいわば、「走る回転式展望台」といってもよいでしょう。
ご存知の方も多いと思いますが、この姨捨付近の車窓は「日本三大車窓」といわれています。ちなみに、もう一つは根室本線の狩勝越え(北海道)、もう一つが肥薩線の矢岳越え(熊本県・宮崎県)です。狩勝越えは線路のルート変更、矢岳越えは災害による長期運転見合わせの影響で現在(2023.9現在)ではこの姨捨のみが実際に見られる風景です。
また、姨捨駅はスイッチバック式の駅で、本線から駅に入るための分岐があり、そこへ入ると駅があります。ただし、その先は終端となっているため、必然と列車の進む方向を変える必要が出てきます。また、方向を変えるのは一度だけではなく、長野方面行きの列車であれば、姨捨駅を出発した後、本線を横切り、再度引き上げ線に入ってから進行方向を変えて本線に戻ります。一方で、松本方面行きの列車であれば、姨捨駅到着前に一度引き上げ線に入ってから方向を変えてから本線を横切り、姨捨駅へ入線するということを行っています。そのため、停車列車については2回の方向転換が必要になります。わざわざこの方法を取るのは本線の線路が急勾配にあるためです。鉄道は勾配に弱く、本線上にホームを設けると、特に松本方面行きの列車は急な上り勾配上で発進することになるため、わざわざ水平な場所にホームを設けるべくこのような構造となっています。
今回乗車した列車は姨捨駅を通過するため、そのまま本線上のみを走ります。快速列車は駅を通過する爽快感こそあれど、このスイッチバックが味わえないのは少し惜しい点ではありました。
稲荷山駅に到着する頃には長野盆地までに降り切り、篠ノ井駅で旧信越本線であるしなの鉄道線と合流。そして終点の長野へと到着します。
【9:26発/10:47着】 長野から新幹線乗り継ぎで越後湯沢へ
長野へ到着し、次は新幹線が2本続きます。まず、北陸新幹線で高崎へ向かい、高崎で上越新幹線に乗り換え、越後湯沢へ向かいます。
長野からはあさま612号の東京行きに乗車します。例の如く自由席ですが、混みやすい編成真ん中付近の号車を避け、2号車へ乗車。この列車は高崎までは全駅に停車する列車で、長野出発時点ではガラガラでしたが、上田・佐久平・軽井沢に止まるごとに次々と席が埋まり、高崎到着時点では全ての窓側と通路側の座席の半数程度が埋まることになりました。土曜の朝だったこともあるかもしれませんが、東京方面への需要が一定数以上あることを実感しました。ただし案の定、安中榛名からは全体でも数人の乗車のみでした。安中榛名駅はかつては秘境駅といわれたほどの新幹線駅で、1997年の開業当初は駅周辺に何もないことで有名でしたが、現在はJR東日本が主体となり、住宅地の開発を行うことで新幹線通勤への誘導を図っています。その結果、駅前は住宅地へと変貌していますが、駅の利用者は相変わらずといった印象です。
また、現在の軽井沢・安中榛名駅間に並行するようにして、かつては信越本線の軽井沢・横川駅間は鉄道の難所、碓氷峠の峠越えが有名でした。新幹線開業までは最大66.7‰の勾配を列車の種類にかかわらず、2両の補助機関車に支えられながら登り降りをしていました。碓氷峠はいわゆる片峠といわれる横川から軽井沢方面へかけてほぼ上りのみで構成される峠で(上った後の下りがほとんどない)、軽井沢方面への上りの際は補助機関車を編成の後ろに連結して押し上げるようにしていた運転方法が特徴でした(横川方面行列車も前側に補助機関車2両が連結される)。この在来線区間は1997年10月の北陸新幹線開業をもって廃止されており、現在では新幹線のみがこの峠をトンネルで行き来します。
この碓氷峠を越えると、長野県から群馬県へと入ります。ついに関東へ進出です。安中榛名を出発し、上越新幹線と交わると高崎へ到着です。高崎では上越新幹線へ乗換を行います。接続時間は5分だけでしたが、急がずに乗り換えが可能でした。上越新幹線でも自由席を使いましたが、高崎で降りた方が多かったため、座席に着くのも容易でした。
高崎を出発し、北陸新幹線と分かれてしばらくすると山岳地帯のトンネル区間になります。途中の上毛高原は通過となりますが、上毛高原の駅手前の明かり区間で一瞬だけ車窓右手に利根川の河岸段丘が見えます。そこが個人的に車窓がきれいだと思うスポットです。ちなみに、この上毛高原駅の駅名は建設当時につけられた仮称で、1982年の開業以来、長きにわたり駅名がそのままとなっていることで巷では有名です。
そして、上毛高原駅を通過してしばらくすると、全長約22kmを誇る大清水トンネルへ入り、群馬県から新潟県へ入ります。まさかのこの旅で4回目の新潟県進入です。大清水トンネルの建設中にあたっては掘削中の湧水に悩まされた過去がありますが、いまではこのトンネルの湧水が飲料水として販売されています。それが現在、JR東日本の駅における自動販売機でよく見られる”From AQUA”という商品です。大清水トンネルを出ると直後に越後湯沢駅へ到着します。
【10:47-12:16】 駅の中だけでも十分楽しい越後湯沢駅を探索
上越新幹線で越後湯沢へ到着。ここからは上越線の水上方面、上越国境越えをしますが、この区間を走る列車は非常に少なく、待ち時間が発生します。今回は約1時間半に及ぶ待ち時間が発生します。
というものの、実はこの待ち時間は旅程を組むうえでわざと設けたもの。というのも、越後湯沢駅の駅ナカはかなり充実しており、わざわざ時間を設けてでも寄る価値があるからです。越後湯沢の駅ナカは駅の改札を出てすぐのところにあり、様々な土産物店、飲食店などが揃っています。さらには温泉施設もあり、地場産の本物の日本酒が入っているのが特徴です。当初入浴もしていくつもりだったものの、結局時間が足りずパスすることになりましたが。
しかし、浸かる酒は逃しても、飲む酒はやはり怠れぬ、ということで、有名になりつつある「ぽんしゅ館」の「唎酒番所」で日本酒を少し飲んでいきます。越後湯沢に来た酒好きにとっては見逃せないスポットで、新潟各所で作られた日本酒を少しずつ試飲ができる場所です。なんと新潟県内の蔵元すべてのお酒を仕入れており、それぞれを代表する銘柄、126種類が取り揃えられています。受付にて500円を支払うと、専用コイン5枚とおちょこがもらえるので、専用コインを飲みたい銘柄の給水機ならぬ給酒機(?)のところにコインを入れてそばの黄色いボタンを押すとおちょこ1杯分が飲め、最大でおちょこ5杯分となります。
執筆時点でどの銘柄を試飲したか覚えてませんが、酒蔵や銘柄によって個性が違うので、それを一度に少しずつ味わえるこの唎酒番所は日本酒好きにとっては最高の空間だと思います。また、同じお酒でも味の感じ方は人それぞれなため、これを利用して自分に合う日本酒をAIで判断してくれるツールもあります。隣接する土産店で、日本酒を取り扱っており、このAIツールを使って至高の一品を手に入れられるという仕組みです。恐らく、唎酒番所は有料の試飲コーナーという位置づけで、ここでお気に入りの銘柄を見つけてもらい(必要に応じて、AIツールで補助をしつつ)、お店での購入につなげるという作戦なのでしょうね。もちろん、唎酒番所でも収入が入るのでビジネスとしてもうまい仕組みだと思います。考えた人すごいわ。
続いて、唎酒番所と並んで見逃せない場所が「爆弾おにぎり家」さん。その名の通り、爆弾のように巨大なおにぎりが食べられるお店です。おにぎりに使われるお米は魚沼産コシヒカリの中でも、最高級の品質を誇る塩沢地区のお米のみです。そんな素朴ながらも贅沢なおにぎりを楽しめる、まさに米どころの新潟らしさが詰まったお店です。フードコートのようなスタイルで、イートインかテイクアウトを選択できます。具は鮭などのオーソドックスのものから角煮など、惣菜のようなものまであり、ミックスも可能です。今回は明太子と高菜のミックスを注文。みそ汁はサービスでつけてもらえます。
やはり見た目は爆弾そのものでインパクト大。表面にのりが余すことなく巻かれています。使われているお米は1合とのこと。かなり大きいので、食べ方はお箸で小分けにして食べるもよし、手掴みでかぶりつくのもありです。味はもう格別。一点の雑味もない完璧なご飯です。たかがおにぎり、されどおにぎり。ここまで美味しいおにぎりができるのは感心です。大きいおにぎりですが、飽きも来ず普通に食べきることができました。ちなみに、「大爆おにぎり」という4合のお米を使ったおにぎり(1.5kg)もあるので挑戦したい方はぜひ。
【12:16発/12:56着】 上越線の上越国境区間を抜ける
それでは越後湯沢駅を楽しんだところで、移動を再開していきます。乗車するのは上越線の水上行き。車両はいまや新潟地区の普通列車のスタンダードとなった、E129系電車です。長岡駅始発の列車のため、クロスシートは取れず、ロングシートに着席することに。
越後湯沢を出発し、スキー場の合間を塗って越後中里へ。越後中里を出発すると山へ入り始めます。一旦、上下線が別のルートを通り、いま乗車中の上り線は上り勾配を緩和するために、円を描くようにして勾配を上るループ線があります。土樽駅手前で再び上下線が合流しますが、そこでTRAIN SUITE四季島とまさかのすれ違い。死ぬまで一度は乗ってみたい列車の一つです。がんばって稼がねば。
土樽を過ぎると再び上下線で再びルートが分かれます。乗車した上り線は清水トンネル、下り線は新清水トンネルを通っていきます。もともとは上下線ともに、清水トンネルがあるルートを通り、その当時は単線となっていました。1931年に開通したルートで、先ほどと同様にループ線などを使いながら急勾配を緩和した造りが特徴となっています。しかし、戦後の経済成長で交通量が増加すると、単線の清水トンネルだけでは上下線を裁くのが難しくなったという経緯で、現在の下り線である新清水トンネルが1967年に開通します。この頃には土木技術も進んでおり、新潟・群馬県境にある谷川岳を最短距離で貫くルートが採用され、それが現在の新清水トンネルのルートです。
列車は清水トンネルを出ると土合駅へ。「モグラ駅」として462段の階段を降りたトンネル内に駅があることで有名な駅ですが、いま乗車している上り線の列車は地上ホームに入線します。
土合駅からは再度群馬県に入っており、土合駅出発後も再びループ線を越えます。ループ線に入る直前で進行方向右側に次に停車する湯檜曽駅が見下ろせます。次の駅が横に、かつ眼下に見えるのはなかなか珍しく、これも厳しい山ならではの光景です。
この湯檜曽駅も土合駅同様、上り線は地上、下り線はトンネル内に位置することで有名です。湯檜曽を出発すると、再度上下線が合流し、利根川の渓谷沿いを進むとまもなく、終点の水上駅へ到着します。
【12:56-15:53】 悪天候で急遽の旅程変更。雨のみなかみを観光する
この旅では都道府県につき最低1箇所は観光をするルールを設けているため、ここ、水上にて群馬県の観光を行っていきます。
当初の予定ではロープウェイとリフトを使って谷川岳の天神平へ行こうとしていましたが、この日は雨であるうえ、気温も低かったため、急遽、観光プランを変更することに。観光案内所の方の力も借りながら、計画を立て直しました。
まずは水上駅より、谷川岳ロープウェイ行きのバスに乗車します。しかし、行先は谷川岳ロープウェイにあらず。降りたのは「土合駅前」停留所です。お気づきの通り、変更した行き先のひとつは土合駅です。バスの往路と復路のインターバルが約30分とちょうどよかったため、土合駅に行くことを決めていたのです。
先ほど列車でも通りましたが、それはあくまでも地上の上り線ホームだけの話。この駅の醍醐味であるトンネル内の下り線ホームに行ってきます。駅舎は山小屋風な造りで、正面玄関の大きな三角形が特徴的です。この駅舎は1968年竣工。見た目よりも案外古いのですが、中に入ると言われてみればという感覚に。駅舎の中は確かに昭和の無機質感が漂っており(良い意味で)、薄い緑のコンクリートタイルの地面に、荷物受け、丸みのあるゴシック体で「きっぷ売場」と書かれた旧窓口跡、そして、旧改札口にあるラッチなど、どことなく古(いにしえ)の香りがしてきます。一方で、かつての駅事務室のスペースを使って、カフェの営業をしたり、駅の敷地を使ってグランピング施設を設けるなど、駅というよりかはもはや観光地と化している側面もあります。そのため、列車は使わないが、駅自体を目当てに訪れる来訪客も散見され、この時も数十人の方とすれ違いました。
私自身、鉄道ファン、ひいては駅ファンをやってきていますが、土合駅みたいな秘境駅が有名になるのは嬉しい一方、何だかその界隈のみぞ知る、といったいわゆる秘密基地的な雰囲気がなくなるのは一抹の寂しさを覚えるのも本音としてはあります。何だか親しみを覚えていたスポットが一気に出世して遠い存在になってしまうかのような感じでしょうか。でも、人知れず利用されないまま廃止になるよりかは幾分マシかなとは思います。
さて、肝心なホームへ向かいます。先ほど列車でも通った上り線ホームは改札口から1-2分程度で到着しますが、下りホームは462段の階段を下りる必要があります。加えて、その前におまけで24段あるので、計486段あります。最初はおまけの24段を降りつつ、廃校の渡り廊下みたいなところを進んでいきます。この渡り廊下みたいな場所は駅前の道路と湯檜曽川を渡るためのもので、ここを越えるとトンネル部へ入り、有名な462段の階段にたどり着きます。
ズラッと一直線に延びるホームへの階段。どこか地底に吸い込まれそうな雰囲気が漂っています。階段は5段ごとに小さな踊り場が設けられており、ところどころに休憩用のベンチが設けられているので、体力に自信がない人でも、時間さえかければ上り下りできる印象です。一方で、自分みたいな(自称)健脚にとっては5段ごとの小さい踊り場が最初はちょっと厄介に感じられますが(一定のリズムで降りたいのに踊り場によってペースが乱される)、一度ペースをつかめればスムーズに降りれるのかなと。
速足で下り、改札からは7分程度で下りホームへ到着です(標準では10分)。土合駅の下りホームは1面1線の棒線駅ですが、下りのホーム階にはホームを含めて2本の通路があり、待合室はホームと異なる通路にあります。そして、2本の通路の間には妙な隙間があるのが特徴です。待合室のある通路はかつてのホームで、このホームが供用されていた頃は現在のホームはなく、旧ホームに接する線路と通過線が1線ずつありました。しかし、現在はかつてホームに接した線路が使用停止となり、かつての通過線に沿ってホームが新設されたのです。
下りホームは全長約13kmの新清水トンネルの中にあり、空気はひんやりとしています。この空間は年中このくらいの気温となっており、そこにある旧運転事務室を利用して、ホームクラフトビールの熟成が行われています。このビールはイベント時に解禁されるらしく、機会があれば行ってみたいなと。ゆっくりしていたら、バスの時間まであと10分弱。急いで階段を一気に上り、ギリギリのところでバスに乗車、その後、水上駅へと折り返しました。
水上駅へ戻った時点で、次の列車までは約1時間30分ほど。水上駅周辺には水上温泉という温泉地があるため、旅程変更時に温泉へ行くことを決めていました。事前に観光案内所の方から教えて頂いた「おやど 松葉屋」さんへ行くことに。駅からは徒歩6分で、日帰り入浴ができる施設の中では駅から最も近いところらしいです。
しかしながら、まさかの休業日。温泉街にある「ふれあい交流館」というところへ向かいます。駅からは徒歩15分あり、その間、雨水が靴に浸食。何年履き続けてきたか自分でもわからないほどの古い靴なので自業自得なのですが、靴下にも魔の手が及びなかなか気持ち悪い状態に。当然、替えの靴なんぞ持ち合わせておらず、入浴後も気持ち悪い思いをすることを覚悟で温泉施設へ飛び込みます。
「ふれあい交流館」では脱衣室に入る前に籠を取って、使い終わった籠は脱衣所前の椅子に置いて帰る少し独特なスタイルを採用していますが、貴重品ロッカーや休憩所があり、簡素ながらも入浴施設としては申し分のない設備です。湯温は温度計を見る限り44℃。無色でほのかな塩素系の匂いがします。泉質は硫酸塩泉で、雨で冷えた体をしっかりと温めてくれました。
入浴後は温泉街を元来た方向へ戻り、水上駅へ。往路でも思ったことですが、水上温泉は全体的に廃墟が多め。以前にも友人たちと水上温泉で宿泊をしたことがありましたが、その時の旅館はすでに廃業。廃墟化していたことをこの時知り、ちょっと残念な気持ちに。駅前にも「ホテル大宮」という廃墟があり、地元の方も問題意識を持っているようです。その一方で、周辺の豊富な自然環境を利用したスキー、ラフティング、キャニオニングなどのアクティビティに力を入れている動きはあり、かつての活気が戻ってくることを期待したいです。
【15:53発/16:45着】 利根川が織り成す風景がきれいな上越線で新前橋へ
水上駅へ到着。列車移動を再開していきます。そして、足が気持ち悪い(雨で靴の中が床上浸水)。乗車するのは上越線、高崎行きの普通列車です。車両は211系、すべてロングシートです。
水上を出発すると、利根川の渓谷沿いを進んでいきます。特に後閑までの景色はきれいです。その後も、利根川へ向かって階段状に標高が小さくなる河岸段丘の地形も見応えがあります(沼田・渋川駅間)。
渋川駅手前で利根川を渡ると、関東平野へ。徐々に景色に住宅地が混ざっていきます。そこからしばらく、下車駅の新前橋へ到着します。ちなみに、先ほど降り立った高崎まではたったの3駅。無駄に新幹線までわざわざ北上した後に並行した在来線を使ってまた南下するという一般の人からすれば、「無駄の極み」的なルートを辿ってきたのでした。
【17:09発/18:42着】 地味に長く感じる両毛線で栃木へ
新前橋からは両毛線へ乗り換えて栃木へ向かいます。乗車するのは高崎始発の小山行きです。
高崎と前橋という群馬県の主要都市を結んでいることもあり、立ち客がそこそこいる状態で到着。とはいえ、新前橋の次が前橋駅のため、ここである程度の下車がありました。最初は立って乗車しましたが、ここで座席にありつきます。
肝心な車窓はあまり面白さはないかなと。伊勢崎・桐生・足利・佐野といった群馬県や栃木県の中小規模の都市を結ぶ路線のため、都市間は田園風景、都市内では市街地の景色となります。また、途中から日が暮れて車窓が見えなくなったことや、そもそものところで、座席もすべてロングシートだったのもあり、時間を長く感じました。
乗客の流れについては全体的には短距離利用が多く、主要駅で乗客が入れ替わる印象。このように地域輸送で重要な役割を持っていることが感じられる一方、ほとんどの区間で単線のため、駅で度々対向列車の待ち合わせを行っていくため、その分、所要時間が必要以上に長くなってしまいます。
約1時間30分の乗車で、途中駅の栃木へ到着。ここが本日の最終目的地です。
本来であれば、ホテルのチェックイン後に夕食に繰り出すのですが、雨の中、旅行した疲れによって戦意喪失し、コンビニで何も考えずに買った蒙古タンメンをかっ喰らい一日が終わりました。
ということで、本日の旅程はここまでとなります。
本日もお疲れ様でした。
(雨に濡れた靴は12時間経った時点でも生乾きでした。そろそろ替え時ですね…)
【参考】変更後の旅程
【旅程: 最長片道切符の旅17日目(実際の予定)】
■ 松本駅 (8:12発)
↓ 篠ノ井線・信越本線 快速
■ 長野駅 (9:11着/9:26発)
↓ 北陸新幹線 あさま612
■ 高崎駅 (10:19着/10:24発)
↓ 上越新幹線 とき313
■ 越後湯沢駅 (10:47着)
■ 越後湯沢駅 駅ナカ
■ 越後湯沢駅 (12:16発)
↓ 上越線 普通
■ 水上駅 (12:56着)
■ みなかみ観光
● 水上駅 (13:20発)
↓ 関越交通 水上線
● 土合駅前 (13:33着)
・ 土合駅
● 土合駅前 (14:08発)
↓ 関越交通 水上線
● 水上駅 (14:28着)
・水上温泉
■ 水上駅 (15:53)
↓ 上越線 普通
■ 新前橋駅 (16:45着/17:09発)
↓ 両毛線 普通
■ 栃木駅 (18:42着)
【YouTube】