【最長片道切符の旅#5】北海道の中心で酒に浸る、そしてアクシデント遭遇

最長片道切符の旅5日目。本日は2023年3月24日(金)。本日は北海道の富良野から旅を始めていきます。
(超遠回り全国鉄道旅行・最長片道切符の旅の概要はこちらをご覧ください)
本日の旅程は以下の通りとなります。

【旅程: 最長片道切符の旅5日目(予定時点)】
■ 富良野駅 (8:12発)
↓ 富良野線 普通
■ 旭川駅 (9:13着)
■ 旭川(上川エリア)観光
 ● 旭川駅
 ↓ 徒歩10分
 ● 高砂酒造(9:55-10:55)
 ↓ バス移動 (4条18丁目-永山2条6丁目)
 ●男山酒造り資料館(11:25-11:55)
 ↓ バス移動 (永山2条4丁目-永山10条4丁目)
 ● あさひかわラーメン村(12:15-12:50)
 ↓ バス移動 (永山10条4丁目-1条7丁目)
 ● 旭川駅 (13:25着)
■ 旭川駅(14:00発)
↓ 函館本線 特急ライラック26号
■ 岩見沢駅(14:59着/15:05発)
↓室蘭本線 普通
■ 栗山駅(15:28着)
■ 栗山(空知エリア)観光
 ● 栗山駅
 ↓ 徒歩15分
 ● 小林酒造 (15:45-16:15)
 ↓ 徒歩15分
 ● 栗山駅
■ 栗山駅 (17:01発)
↓ 室蘭本線 普通
■ 苫小牧駅(18:05着)
■ 苫小牧(胆振エリア)夜景散策
 ● 苫小牧駅
 ↓ 徒歩10分
 ● 王子製紙苫小牧工場(付近)
 ↓ 徒歩40分
 ● キラキラ公園
 ↓ 徒歩30分
 ● 苫小牧駅

【8:12発/9:13着】 4割の途中駅を飛ばすイレギュラーな富良野線の普通列車で旭川へ

本日は富良野から出発です。ここからは富良野線で旭川へ向かいます。

富良野駅
富良野駅

ホームへ着いたタイミングでちょうど乗る列車が2両編成で到着。旭川方面から来た当駅止まりの列車のようです。通学時間帯ということもあり、学生さんでほぼ満席状態のようでした。一方で、富良野から旭川方面へ向かう乗客は少ないうえ、2両編成なのでボックス席を取るのは容易でした。

富良野線のH100形気動車(DECMO)
富良野線のH100形気動車(DECMO)

今回乗車したのはあくまでも普通列車ですが、途中駅15駅中6駅(臨時駅を除く)を通過するというちょっと普通じゃない普通列車。小さな駅は爽快にスルーしていきます。途中、観光地で有名な美瑛を通りますが、やはり平日でオフシーズンなのか、見た感じではほとんど観光客の姿はありませんでした。

富良野線の沿線風景
富良野線の沿線風景

旭川市へ入ると少しずつ人が増え始め、座席の7-8割が埋まった状態で終点の旭川へ到着しました。

旭川駅
旭川駅

【10:00着/10:55発】 高砂酒造で工場見学と試飲

2日ぶりの旭川ですが、前回訪れた時はほぼ宿泊だけだったため、今回は数箇所観光をしていきます。

まずは旭川駅から徒歩10分のところにある「高砂酒造」さんの工場見学です。高砂酒造は「国士無双」の銘柄で有名な酒蔵会社です。工場見学は予め申し込みが必要ですが、費用は無料です。

「国士無双」を手掛ける高砂酒造
「国士無双」を手掛ける高砂酒造

直売所で受付を済ませ、ガイドの方と別棟の工場で説明を受けます。工場見学にあたっては特別着替えなどの必要はなく、靴にビニール製のカバーを付ける程度となります。まず、工場の2階部分に案内いただくと早速蒸した米が機械からでてくるところに遭遇。一般人からすればなかなか貴重です。

ガイドさんからは色々な日本酒の知識から教えていただきました。まとめるとこのような感じになります。
(素人がまとめているので鵜呑みにしないようお願いします)

【 日本酒の原料】
・米
・米麹
・水

【日本酒の呼び名】
米を削る度合や使う原料によって変わる
(例)
・米を削る度合が一番大きいもの(白米の50%以上)が「大吟醸酒」
・醸造アルコールといった添加物を使っていないものは「純米酒」

【日本酒造りの大まかな行程】
① 米を蒸す
② 蒸した米に種菌を撒いて米麹を作る
③ 上記の日本酒の原料3種類を混ぜて発酵させる
④ 発酵された液体(=もろみ)をろ過して原酒を作る
⑤ 作る商品に合わせて、必要に応じて原酒を貯蔵したり、火入れしたりする
⑥ 瓶詰め

日本酒の原料は米、米麹、水の3種類。洗米をしたのち、お米を蒸すそうです(上記工程①)。日本酒の米は食用となる米からさらに削って使うのが一般的。そのときに削る度合に応じて日本酒の呼び名が変わります。

また、米麹は自社で用意をするとのこと。蒸した米に種菌を撒くことで米麹ができあがります(上記工程②)。専用の部屋で麹づくりを行っているようでここは見学者であっても入れません。それでも写真で補足説明をしてもらえるので、わかりやすいことに変わりありません。

そして、原料を混ぜ合わせて発行を行います。これにより、アルコールが生成されます。発行自体は菌の働きによるものですが、温度調整や攪拌の作業を入れることで、菌の働きをコントールをしておいしいお酒を作るとのことです(上記③)。発酵中は専用のタンクに詰められており、それが何本も設置されており迫力があります。ちなみに発酵が終わるまでに1カ月程度かかります。

のちに専用の機械を使って内容物をろ過することで原酒が出来上がります(上記工程④)。この時にでき上がるのが酒粕で、いろいろと用途はあるものの、どちらかというと酒造りにおいては副産物に当たります。

瓶詰までの工程(上記工程⑤⑥)もいくつかパターンがあるようで、特に加工が入らない生のお酒を瓶詰めするというパターンや、貯蔵・火入れをしてから瓶詰をするものもあり、その工程の有無や順番によっても風味が異なってくるようです。工場の1階部分に貯蔵庫があり、こちらも見せていただけました。貯蔵庫は窓のない真っ暗場所でそこには多くのタンクがありました。

この高砂酒造さんの歴史は前身の時代も含めると、約120年程度。こちらに限らず、北海道の酒造りの歴史は本州に比べるとまだ浅いのだそう。酒造産業の見通しは暗いが、まだまだ北海道の酒造は伸びしろがあると力説されていました。

一通り、見学が終わると試飲ができます。吟醸酒と純米酒、さらにはオリジナルのヨーグルト酒や梅酒なども試飲させていただきました。自分は素人ではありますが、吟醸酒は純米酒と比べるとさらっとした味わいとなり、吟醸酒は日本酒初心者、純米酒は香りが鼻を抜け、日本酒好きに向いているように感じました。ヨーグルト酒は本当にヨーグルトの味がして、甘味があります。気を付けないと飲みすぎてしまいそうです。梅酒も美味。

ここまでで40分ほど。この後はお土産を買うなり、資料展示を見るなりして自由に時間を過ごし、各自のタイミングで退店することになります。

一般の人が気軽に立ち入れないゾーンに立入って見学ができるのは貴重で、試飲まで無料でできるのはとても良心的でありがたいものです。

【11:25着/11:55発】 さらに男山酒造り資料館で”はしご酒”

旭川の酒造探訪は一軒では終わりません。次は「男山酒造り資料館」に訪問します。

高砂酒造から比較的近い4条18丁目バス停からバスに乗ること約15分、永山2条6丁目バス停で下車します。「男山酒造り資料館」は永山2条6丁目バス停から徒歩2分です。ここでは主に昔使われていた酒造りの道具に関する展示や工場の一部を見学することができます。

男山酒造り資料館
男山酒造り資料館
男山酒造り資料館入口
男山酒造り資料館入口

高砂酒造との違いは工場の見学は予約不要であること。その代わり、資料館のガラス越しに工場を見るという形となります。

男山酒造り資料館は2F・3F部分が資料館となっています。あまり時間がなく、細かくは見ることができませんでしたが、酒造りの大まかな工程自体は高砂酒造と類似しているようでしたので割愛します。工場内部も機械やタンクが多く並べられている点は高砂酒造と大きく変わりませんでしたが、
工場にいる社員の方が高砂酒造さんよりも多くいたため、タンク上部のふたを開けて液体の状態を確認する様子や作業場の清掃にあたる方など、働きぶりが見られて興味深かったです(タイミングによるところも大きいと思います)。

昔の酒造りの道具に関してはかつて使われていたものとして、木製の道具が目立ち、特に巨大な木の桶はまさに酒造りのイメージと合致します。また、昔の酒造りの様子を写し出す写真の中には屈強そうな男性陣が上半身裸で作業している様子が。機械化により体力仕事が減ったいま、作業着で帽子などの衛生対策をしたうえで普通の見た目の方(恐らく女性も増えているはず)が工場を出入りしている現代とはだいぶ違う雰囲気があったものかと思われます。

資料館の1F部分は直売所になっており、3種類の銘柄まで無料が試飲ができます。スタッフの方に試飲を希望の旨を伝えて、コインを3枚もらい、そのコインをスタンドのコイン投入口に入れると、15ccの日本酒が出てくるという仕組みです。実際に3種類味見をしてみましたが、印象に残ったのが、「たる酒」というもの。杉でできた樽に一定期間貯蔵されていたお酒であり、本当に杉の木の香りが映っているのです。HPによると「コロナ禍で鏡開きが激減し、樽酒を味わう機会が減っている中、ご家庭で味わっていただければ」とのこと。なかなか粋な企画です。せっかくなので、試飲で好みだった大辛口の酒を購入し、その場を後にしました。

昔の酒造りの道具
昔の酒造りの道具
機械化された酒造り現場
機械化された酒造り現場

時間は短ったものの、予め高砂酒造で見学して知識があった状態で見られたので、比較的スムーズに理解が進められました。見学時間は30分程度見込んでおけば大丈夫だと思います。

ここまで旭川の2つの酒造会社を見てきましたが、手軽に雰囲気が味わえればよいという方は男山酒造り資料館、間近にくまなく見たいという方は高砂酒造が良いかと思います。もちろん今回のようにどちらも行く”はしご酒”スタイル(「飲んだくれる」とは一言も言っていない)というのもありです。

【アクシデント】バスが来ない

男山酒造り資料館を後にし、次のスポット、「旭川ラーメン村」を目指します。”はしご酒”の後の締めの一杯を味わいたいのです(「飲んだくれた」とは一言も言っていない)。

先ほど降りたバス停の一つ手前、「永山2条4丁目」バス停から違う系統のバスに乗車をしていきます。バスの時刻は12:07。このバス停、同じ名前のバス停が少なくとも4箇所にあり、バス停の位置がわからず少し迷いましたが、何とか出発予定時刻2分前にたどり着きました。

しかし、待てど待てどもバスが来ない。予定時刻から5分、10分、15分。。。どんどん時間が経っていきます。もともとあさひかわラーメン村でも35分ほどしか時間が取れず、このままだとラーメンにありつくことができないと考え、訪問は断念することにしました。旭川駅からの徒歩圏外にいたため、次の移動に備えて旭川駅に戻ることを第一に据えて作戦を練ります。

色々スマホで調べた結果、別系統のバスを使うことで旭川駅の近くまで戻れることを確認。そのバスを使って駅へ戻ることに決めました。同じ名前のバス停ですが、異なる場所にバス停が止まるようなので、バス停を移動します。

移動先のバス停でバスが来なかった理由が判明したのですが、どうやら乗務員不足で、ダイヤに変更が発生していたのだそう。具体的には平日ダイヤと休日ダイヤの2種類があるのですが、平日であっても、休日ダイヤで運転をされているとのこと。その旨を記載したお知らせがバス停の下の方に括り付けられているではないか。移動前のバス停でも何か別途お知らせが貼られているな、という認識しかなく内容を把握していませんでした。気づかなった自分も悪いですが、バス停の時刻表はそのままになっていたので、もう少しわかりやくしてもらえると助かるなと。鉄道に限らず、地方の公共交通のあり方が問われている昨今、色々思うことはありましたが、書いているうちに「迷子」になりそうなので、ここでは触れないことにしておきます。

バス停にくくられていた臨時ダイヤのお知らせ
バス停にくくられていた臨時ダイヤのお知らせ

さて、計画変更して乗車しようとしたバスにはきちんと来てもらえ、旭川駅に近い「1条7丁目」バス停で下車し、何とか無事に旭川駅の方まで戻ることができ、事なきを得ました。

【13:15-13:35】 「梅光軒」で旭川ラーメンを食する

先ほどの一件で、「旭川ラーメン村」を諦めることになりましたが、やはりラーメンは食べたい。当然このように思い訪問したのが「梅光軒」さんです。
旭川には旭川ラーメンというご当地ラーメンがあり、動物系と魚介系のだしをあわせた「Wスープ」が特徴なのだとか。梅光軒はそんな旭川ラーメンをリードするお店の一つです。ラーメンは醤油、塩、味噌ラーメンの3種類ですが、今回は醤油ラーメンを選択。ほかにもおつまみセットなるものもあるようです。

着丼。スープは醤油豚骨をベースに、前述のように魚介系のだしも感じられバランスがよく、麺はちぢれ麺です。具はチャーシュー、メンマ、ねぎとシンプルです。酒(「飲んだくれた」とは以下略)の後のラーメンはギルティですが本当に最高です。ついついいけないと思いながらもスープをほぼ完飲してしまいました。

梅光軒本店前
梅光軒本店前
梅光軒の醤油ラーメン
梅光軒の醤油ラーメン

【14:00発/15:28着】 岩見沢経由で栗山へ

急な予定変更がありましたが、とりあえず今回やりたいことは達成できたので、旭川を後にします。

特急ライラックに乗車し、まずは岩見沢へ向かいます。北海道の二大都市、札幌・旭川を結ぶ特急列車、カムイとライラックは利用客が多い印象があったので、早めにホームへ向かいます。同じ区間を結ぶ2列車ですが、その差異は大きく車両・車内設備と両数(収容力)に違いがあります。ライラックは通常6両編成でグリーン車があり、指定席・自由席の収容数は計330席ほど。黄緑色の789系0番台で運行されます。カムイは通常5両編成でグリーン車はなく、指定席・自由席の収容数は計280席ほど。シルバーの789系1000番台で運行されます。

旭川駅
旭川駅
特急ライラックの運用に入るカムイの編成
特急ライラックの運用に入るカムイの編成

ホームへあがると、ライラックにかかわらず、前面が黄緑色の789系0番台ではなく、カムイで使われるシルバーの789系1000番台。違和感を覚えながらも車内を見回しますが、どの車両も窓側は完全埋まっている様子。通路側は多少空いていたものの、景色が映せないのであればということで、立つことに。乗車中に分かったことですが、車両運用の影響のようです。

通常よりも収容数が少なかったのが影響したのか、途中駅でついに立ち客がではじめ、岩見沢に着く時点では座席は通路側を含め満席。自分がいたデッキ付近にもほかに5名が立っていました。

岩見沢で特急ライラックを下車。室蘭本線へ乗り換えます。打って変わって1両編成のディーゼルカーが走るローカル線となります。

室蘭本線のキハ150形気動車(岩見沢駅にて)
室蘭本線のキハ150形気動車(岩見沢駅にて)

【15:40-16:10】 築100年、赤煉瓦が特徴の「小林酒造」をチラ見

田園風景を進み、岩見沢から約20分で栗山駅へ到着します。ここから「北の錦」の日本酒で有名な「小林酒造」さんへ向かいます。

まず、栗山駅は栗山町の玄関口にあたるので、施設が立派で、町のカルチャープラザと併設されています。駅舎の中に公文式が入っており、子供たちの姿もちらほら。

駅舎内にロッカーがあり、カルチャープラザの受付に申請すれば無料で使えます。ただし、スーツケースが入るような大きなロッカーがないので注意です。当方はスーツケース持ちでしたが、ダメ元で、カルチャープラザの受付に相談したところ、事務室内で預かって頂けることになりました。

栗山駅

栗山駅から歩くこと15分、小林酒造へ到着します。灰色の煉瓦造りの立派な直売所と赤煉瓦の建物群。年季が入っており立派です。直売所や記念館があり自由に立ち入りはできますが、冬期は16:00で営業終了してしまいます(夏期は17:00まで)。もう閉店間近なので外から眺めることに。

小林酒造の創業は1878年。栗山に拠点を構えたのが1900年のこと。そのため、築100年に及ぶ建物もあります。鉄道ファンとして見逃せないのが奥側にある瓶詰め工場の建物下屋部分。ここにはかつてこの周辺を走っていた夕張鉄道のレールが柱として使われています。かつては炭鉱で栗山をはじめとした空知エリアの地域一体が賑わっており、夕張鉄道は石炭輸送を目的に建設された路線でした。小林酒造の建物群はきっとこの時期からの栗山の変化を見てきているのでしょう。

今回はあまり時間帯がよくありませんでしたが、昼時に訪れると直売所や記念館に加え、直営の蕎麦処も開いているので、いつかリベンジしてみたいと思います。

小林酒造の建造物群1
小林酒造の建造物群
小林酒造の建造物群2
小林酒造の建造物群
小林酒造の建造物群3
小林酒造の建造物群
小林酒造の建造物群4
小林酒造の建造物群
小林酒造の建造物群5
小林酒造の建造物群
夕張鉄道の古レールを再利用した工場下屋の柱
夕張鉄道の古レールを再利用した工場下屋の柱

【17:01発/18:05着】 室蘭本線で苫小牧へ

小林酒造では中に入らなかったため、時間を持て余し気味に。少し遠回りしつつ散歩しながら駅へ戻りました。駅前は思ったより町が発達しており、車はもちろん、歩いている人もちらほら見かけられました。栗山を擁する空知エリアは中心市街地が衰退しているところも多いため、こういう街らしい街を見ると少し安心します。

栗山町市街
栗山町市街

それでは駅に到着し、荷物を回収し列車へ乗車します。栗山駅には切符売り場がありますが、どうやら北海道中央バスの案内所が委託を受けている様子。JRのきっぷにとどまらず、バス関連のチケットも販売しているようでした。

栗山駅ホーム
栗山駅ホーム

列車が到着したところで残りの室蘭本線の区間を乗車します。岩見沢からでしょうか、栗山駅で何十名もの学生さんが下車していきます。そのため、ボックス席は容易に取れました。その後も学生さんが各駅で下車する様子がありました。

車窓については遠浅駅まで田園風景が続くので割と単調です。遠浅駅を出発すると列車は樹林に分け入り、千歳線と合流すると沼ノ端駅へ到着します。最長片道切符上では沼ノ端で千歳線に乗り換えることになりますが、そのまま苫小牧へ行って精算をします。

室蘭本線追分駅付近の風景
室蘭本線追分駅付近の風景。奥に柱と電線があるところに石勝線が走る。

沼ノ端からは市街地を通り、終点の苫小牧へ至ります。沼ノ端・苫小牧間は距離もあり、ほぼ直線のため、列車は先程とは比べ物にならないほどスピードを出して駆け抜けます。

列車は終点の苫小牧へ到着。本日の最終目的地へ到着です。

室蘭本線のキハ150形気動車(苫小牧駅にて)
室蘭本線のキハ150形気動車(苫小牧駅にて)
苫小牧駅
苫小牧駅

【19:15-20:50】 工業地域ならではの夜景鑑賞

最終目的地に着いたものの、まだ旅程は終わりません。

苫小牧といえば工業都市。工業都市といえば工場夜景ということで、夜の街へ繰り出します。工場夜景が綺麗な場所は市内に数スポットあるものの、ほとんどは車がないとアクセスは厳しいです。しかし、2箇所だけ徒歩でアクセスできるところがあるので行ってみます。

まず一箇所目は駅から徒歩10分程度の王子製紙苫小牧工場。苫小牧市街地のだいたいの場所から見える赤白のボーダーの煙突。ここからは四六時中煙が出ており、個人的には苫小牧を象徴する景色だと思います。夜景スポットはその煙突のほぼ真下のあたり。なかなか迫力のある景色が望めます。ただ、夜景といえば通常、光が見ものであるはずですが、ライトアップは特になかったので、夜景というと少し語弊があるかもしれません。

王子製紙苫小牧工場の煙突
王子製紙苫小牧工場の煙突

二箇所目は駅から結構歩きます。先ほど「徒歩で行ける」とは書いたものの、無理やり歩いていったというほうが適切でしょう。そのスポットは「きらきら公園」で、駅から約2.5km、徒歩35分です。

場所は西埠頭の近く。すぐそばには苫小牧西港があり、多くの貨物船が停泊しているエリアです。公園の光はきれいですが、工業的な港の寒々しい景色の中、誰もおらず、トレーラーが行き交う光景が広がるので、正直拉致されるのではないかとちょっと怖く感じます。肝心な工場はライトアップされておらず、暗い中にぼんやり浮かぶ工場を見るだけになります。

きらきら公園
きらきら公園
太平洋セメントの工場
太平洋セメントの工場。あまり工場夜景っぽくはない。

それでは残念スポットだったかというと、そうではなく、貨物船や港湾のライトが美しく、そのライトが海の水面に反射し揺らぐ光景は格別です。最初は少し怖かったものの、その気持ちも最終的には吹き飛び、行ってよかったと思いました。そもそも夜景以前に個人的にこういった工業都市の景色が好きなので、港湾を行き交うトレーラーの様子を見たり、貨物船が海に浮かんでいる光景を見るだけでも個人的に面白く見ることができました(この辺は興味度合いによって変わるかもしれません)。最初の怖さもスリルのうちで、ある種の楽しみがそこにありました。

キラキラ公園からの夜景1
キラキラ公園からの夜景
キラキラ公園からの夜景2
キラキラ公園からの夜景
キラキラ公園からの夜景3
キラキラ公園からの夜景

ただ、やはり歩いて少し遠かったので、タクシーでの訪問をおすすめします。ちなみに日が暮れる頃には近くを通るバスは終了しているのでご注意ください。

【21:00-21:20】 ホテルでセコマのホットシェフを喰らう

既に時刻は21時を回ろうとしていたので、夕食はコンビニ食としました。とはいえ、ここは北海道。少しでも北海道らしいものをと思って選んだのが、北海道にネットワークがあるセイコーマート、略して「セコマ」。セコマの一部の店舗には「ホットシェフ」という店内調理を行なっているところがあり、これがコンビニ弁当と思えないほど美味しいのです。

ということで、夜景帰りにセコマにより、ホットシェフのお弁当を品定めします。今回選んだのは豚丼。しかも、調子に乗って滅多にしない大盛をチョイス。さらに調子に乗り、春巻きも追加。

ホテルに帰って実食。徒歩疲れということもあり、がっついてしまい正直細かな味は覚えていません。しかし確実にいえることは「さすが、セコマクオリティ」ということです。

北海道は美味しいものが多くありますが、特に何日も北海道にいると飲食店選びなど、考えるのが大変ですし、いくら旅行とはいえど、人によっては出費が気になるでしょう。そんな時にはセコマのホットシェフを挟んでみてはいかがでしょうか。店舗数は多く、安く、道外の人であれば手軽に北海道気分が味わえておすすめです。

セコマのホットシェフで買った夕食たち
セコマのホットシェフで買った夕食たち

それでは本日の旅程はこれで終了です。朝からの長丁場、お疲れ様でした。

【YouTube: 最長片道切符の旅5日目】